glibc にバッファオーバーフローの脆弱性(CVE-2015-7547)

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GNUのCライブラリ「glibc」に、深刻なバッファオーバーフローの脆弱性が発見されました。

2008年5月に公開された「同2.9」以降のすべてのバージョンが影響を受け、
遠隔の攻撃者によって、任意のコードを実行されたり、サービス運用妨害 (DoS) 攻撃を
受けたりする可能性があります。

各開発者が提供する情報をもとに、アップデートを適用する必要があります。

■関連情報
glibc ライブラリの脆弱性 (CVE-2015-7547) に関する注意喚起
glibc にバッファオーバーフローの脆弱性
Linuxなどで利用する「glibc」に深刻な脆弱性 - コード実行のおそれ
CVE-2015-7547(Red Hat 英語)

今回アップデート手順を実施した環境は、CentOS7.1になります。
[root@Tiger ~]# cat /etc/redhat-release
CentOS Linux release 7.1.1503 (Core)

対象はCentOS6、CentOS7になり、CentOS5は影響を受けないので対象外です。


■glibcアップデート手順
1.glibcのバージョンを確認します。
[root@Tiger ~]# rpm -qa | grep glibc
glibc-common-2.17-78.el7.x86_64
glibc-2.17-78.el7.i686
compat-glibc-headers-2.12-4.el7.centos.x86_64
glibc-2.17-78.el7.x86_64
glibc-headers-2.17-78.el7.x86_64
glibc-devel-2.17-78.el7.x86_64
compat-glibc-2.12-4.el7.centos.x86_64

2.パッケージ管理システムのキャッシュをクリアします。
[root@Tiger ~]# yum clean all

3.glibcのアップデート実施
[root@Tiger ~]# yum update glibc

4.glibcアップデート後確認
[root@Tiger ~]# rpm -qa | grep glibc
glibc-headers-2.17-106.el7_2.4.x86_64
compat-glibc-headers-2.12-4.el7.centos.x86_64
glibc-2.17-106.el7_2.4.x86_64
glibc-2.17-106.el7_2.4.i686
glibc-common-2.17-106.el7_2.4.x86_64
compat-glibc-2.12-4.el7.centos.x86_64
glibc-devel-2.17-106.el7_2.4.x86_64

5.サーバーを再起動します。
脆弱性の影響を受ける可能性のあるアプリケーションは全て再起動が必要です。
しかし、今回は相当数のアプリケーションが対象となるため、サーバーの再起動をしてください。
[root@Tiger ~]# shutdown -r now

サーバーを再起動できない場合は、影響を受けるサービスを個別に再起動する必要があります。
影響を受ける可能性があるサービスを表示するには、下記コマンドを実行します。
[root@Tiger ~]# lsof | grep 'libc-'

相当数のサービスが表示されるので、
調査工数や再起動漏れを考えるとサーバー再起動を行うほうがベストです。



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