WSL2でLinuxコマンドを実際に動かすハンズオン入門|ファイル操作・パーミッション・プロセス確認を一から体験する方法

宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
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「WSL2をインストールしたけど、何から練習すればいい?」
「コマンドを見ても意味がわからない。実際に動かしながら覚えたい」
Windowsに入れたWSL2がすでに動いているのに、何をやればいいか分からず放置している人は多いです。

この記事では、WSL2のUbuntu上で実際にコマンドを動かしながら学ぶハンズオン形式の入門を解説します。
ファイル操作・パーミッション(権限)・プロセス確認の3テーマを、手を動かして体験することで、「Linuxらしい作業の流れ」が自然に身についていきます。

この記事のポイント

・WSL2のUbuntu上でファイル操作・権限・プロセスを実際に動かして学べる
・mkdir / touch / ls / chmod / ps の5コマンドを中心に手順を順番に解説
・実行結果の出力例をすべて掲載しているので、画面と比較しながら確認できる
・よくある「Permission denied」エラーの原因と解決策も解説


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WSL2で何を練習すればいいか迷ったら

WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)は、Windowsの中でLinuxのコマンドをそのまま使える環境です。インストール直後に「Ubuntu」を開いても、何をすべきか迷うのは当然です。

最初に練習すべきことは、大きく3つあります。

ファイル操作:ディレクトリを作ったり、ファイルを作成・確認・削除する
パーミッション(権限):ファイルの読み書き実行の権限を確認・変更する
プロセス確認:今どんなプログラムが動いているかを確認する

この3つを実際に動かすことで、Linuxの「考え方」が少しずつ分かってきます。セミナーで3,100名以上を指導してきた中で、「手を動かす前に挫折する人」と「動かしながら理解する人」では定着率に雲泥の差があります。まずは動かすことを優先しましょう。

WSL2でUbuntuを開いてみる

WindowsのスタートメニューからUbuntuを起動すると、黒い画面(ターミナル)が開きます。

最初に表示される画面はこのような形です。

tomohiro@DESKTOP-ABC123:~$

これは「tomohiroというユーザーで、ホームディレクトリ(~)にいる」という意味です。ここからコマンドを入力していきます。

まず現在のディレクトリを確認しましょう。

# 現在のディレクトリを表示する $ pwd /home/tomohiro

/home/tomohiro と表示されました。これがあなたのホームディレクトリです。

ファイル操作をハンズオンで体験する

1. 練習用ディレクトリを作る

まずは練習専用のディレクトリを作成します。mkdir(メイクディレクトリ)コマンドを使います。

# 練習用ディレクトリを作成する $ mkdir practice # 移動する $ cd practice # 現在のディレクトリを確認する $ pwd /home/tomohiro/practice

cd practice で移動し、pwd で確認すると /home/tomohiro/practice と表示されます。

2. ファイルを作成して内容を確認する

touch(タッチ)コマンドで空のファイルを作成し、echoで文字を書き込んで確認してみましょう。

# 空のファイルを作成する $ touch test.txt # ファイルに文字を書き込む $ echo "Hello Linux" > test.txt # ファイルの内容を確認する $ cat test.txt Hello Linux

cat(キャット)コマンドでファイルの中身を表示できます。

3. ファイルの一覧を詳細表示する

ls -l(エルエスとハイフンエル)で一覧を詳細表示してみます。

# ファイル一覧を詳細表示する $ ls -l total 4 -rw-r--r-- 1 tomohiro tomohiro 12 Jun 12 10:00 test.txt

左端の -rw-r--r-- という文字がパーミッション(権限)です。次のセクションで詳しく確認します。

パーミッション(権限)をハンズオンで体験する

1. パーミッションの読み方

ls -l の出力に表示される -rw-r--r-- は、以下のような意味です。

最初の1文字:ファイルの種類(-=ファイル、d=ディレクトリ)
次の3文字 rw-:所有者の権限(r=読み取り、w=書き込み、-=実行なし)
次の3文字 r--:グループの権限
最後の3文字 r--:その他全員の権限

数字 意味 よく使う場面
644 所有者は読み書き可・他者は読み取りのみ 一般的なファイル
755 所有者は全て可・他者は読み取りと実行のみ 実行スクリプト・ディレクトリ
600 所有者のみ読み書き可 SSHの秘密鍵など

2. chmodでファイルの権限を変更する

chmod(チェンジモード)コマンドで権限を変更してみます。

# 権限を変更する前の確認 $ ls -l test.txt -rw-r--r-- 1 tomohiro tomohiro 12 Jun 12 10:00 test.txt # 実行権限を付けて755に変更する $ chmod 755 test.txt # 変更後の確認 $ ls -l test.txt -rwxr-xr-x 1 tomohiro tomohiro 12 Jun 12 10:00 test.txt

rw-r--r--(644相当)から rwxr-xr-x(755)に変わりました。

3. 実行できないシェルスクリプトを作って権限を付けてみる

ここでは簡単なシェルスクリプトを作成し、実行権限がないと動かないことを体験します。実務でよく出くわす運用シーンです。

# シェルスクリプトを作成する $ echo '#!/bin/bash' > hello.sh $ echo 'echo "Hello from script!"' >> hello.sh # 実行権限なしで実行しようとする(エラーになる) $ ./hello.sh -bash: ./hello.sh: Permission denied # 実行権限を付ける $ chmod +x hello.sh # 改めて実行する $ ./hello.sh Hello from script!

「Permission denied」が「実行できた」に変わりました。権限が何のためにあるかが体感できます。

プロセス確認をハンズオンで体験する

1. psコマンドで動いているプロセスを確認する

ps(プロセスステータス)コマンドで、現在動いているプロセスを確認します。

# 現在のシェルに関連するプロセスを確認する $ ps PID TTY TIME CMD 1234 pts/0 00:00:00 bash 1789 pts/0 00:00:00 ps

PID(プロセスID)はプロセスごとの識別番号、CMD は実行中のコマンド名です。

2. psコマンドで全プロセスを一覧表示する

ps aux でシステム全体のプロセスを見てみます。

# 全プロセスを一覧表示する $ ps aux USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TTY STAT START TIME COMMAND root 1 0.0 0.1 8900 4200 ? Ss 10:00 0:00 /sbin/init root 2 0.0 0.0 0 0 ? S 10:00 0:00 [kthreadd] tomohiro 1234 0.0 0.2 10000 5000 pts/0 Ss 10:05 0:00 -bash tomohiro 1790 0.0 0.1 7900 3200 pts/0 R+ 10:10 0:00 ps aux

USER 列でどのユーザーが動かしているプロセスかが分かります。%CPU%MEM でリソースの使用量も確認できます。

3. grepと組み合わせて特定のプロセスを探す

プロセス数が多い場合は、grep と組み合わせて絞り込むのが現場での定番の方法です。

# bashという名前のプロセスだけを表示する $ ps aux | grep bash tomohiro 1234 0.0 0.2 10000 5000 pts/0 Ss 10:05 0:00 -bash tomohiro 1800 0.0 0.0 3300 1200 pts/0 S+ 10:12 0:00 grep --color=auto bash

2行目の grep bash は grep コマンド自体が表示されています。これは正常な動作です。

「Permission denied」が出た時の対処法

Linux入門で最も頻繁に遭遇するエラーが「Permission denied」です。以下の3つの原因を順番に確認しましょう。

原因 確認コマンド 対処方法
実行権限がない ls -l スクリプト名 chmod +x スクリプト名
ディレクトリへの書き込み権限がない ls -ld ディレクトリ名 sudo を使うか所有者を変更する
rootが必要な操作をしている whoami sudo コマンド で実行する

※ 注意: chmod 777 でとりあえず全員に権限を与えるのは禁止です。本番環境では重大なセキュリティリスクになります。最小限の権限(644・755)を守る習慣をつけましょう。

WSL2ハンズオンのまとめ

やりたいこと コマンド
現在のディレクトリを確認する pwd
ディレクトリを作成する mkdir ディレクトリ名
空のファイルを作成する touch ファイル名
ファイル一覧を詳細表示する ls -l
ファイルの権限を変更する chmod 755 ファイル名
全プロセスを確認する ps aux
特定のプロセスを絞り込む ps aux | grep プロセス名

次のステップ:7つのテーマで実力を伸ばす

WSL2でのハンズオンを体験したら、次はコマンドの詳しい使い方を専門記事で学びましょう。以下の7テーマの記事が参考になります。

ファイル検索:findコマンドでファイル・ディレクトリを検索する方法|名前や更新日時で探す
文字列検索:grepコマンドで文字列を検索する方法|複数ファイルやディレクトリ除外も
権限変更:chmodコマンドで権限を変更する方法|755と644の違いや一括変更も
所有者変更:chownコマンドで所有者・グループを変更する方法|-Rの一括変更も
プロセス確認:psコマンドでプロセスを確認する方法|auxと-efの違いやgrep検索も
アーカイブ操作:tarコマンドで圧縮・解凍(展開)する方法|必須のzxvfやディレクトリ指定も
定期実行設定:crontabコマンドの設定と書き方|動かない時のログ確認まで
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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として20年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。