クラウドやVPSでLinuxを始める方法|初心者でも迷わないサーバー環境構築ガイド


この記事の監修:宮崎智広(Linux教育歴15年以上・受講者3,100名超)
HOMELinux技術 リナックスマスター.JP(Linuxマスター.JP)【Linux入門】初心者のための基礎知識・講座 > クラウドやVPSでLinuxを始める方法|初心者でも迷わないサーバー環境構築ガイド
「クラウドとかVPSって聞いたことはあるけど、結局なにが違うの?」
「Linuxのサーバーを触ってみたいけど、自宅にサーバーなんてないし、壊したらどうしよう。」

そんな不安を抱えている方に朗報です。
今は月数百円から、インターネット上に自分だけのLinuxサーバーを持てる時代です。自宅のPCを汚す心配はありませんし、もし設定を間違えても、数クリックで初期状態に戻せます。

この記事では、クラウドやVPSを使ってLinux環境を構築する方法を、初心者の方でも迷わないようにステップごとに解説します。
実際にConoHa VPS上のUbuntu 24.04 LTSで動作確認した手順を掲載しています。

この記事のポイント

・VPSなら月数百円で本番同等のLinux環境が手に入る
・クラウドとVPSの違いを比較表でわかりやすく整理
・ConoHa VPSを例にサーバー構築~SSH接続まで解説
・壊しても作り直せるので初心者の練習環境に最適


「このままじゃマズい」と感じていませんか?
参考書を開く気力もない、同年代に取り残される不安——
でも安心してください。プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
図解60P/登録10秒/解除も3秒 / 詳細はこちら

なぜクラウドやVPSが初心者におすすめなのか

「Linuxを勉強したい」と思ったとき、まず頭に浮かぶのは「どこで動かすか」という問題です。

自宅のPCにLinuxを直接インストールする方法もありますが、Windowsが使えなくなるリスクがありますし、設定を間違えるとパソコンが起動しなくなることもあります。

その点、クラウドやVPSを使えば、自宅のパソコンには一切手を加えずにLinuxサーバーを手に入れられます。

クラウドやVPSをおすすめする理由を整理すると、次の3つです。

自宅のPCを汚さない:ブラウザやターミナルソフトからリモート接続するだけなので、自分のパソコンの環境はそのまま
壊しても作り直せる:設定をめちゃくちゃにしても、サーバーを削除して新しく作り直すだけ。数分で元通り
実務と同じ環境で学べる:企業の現場で使われているサーバーも、クラウドやVPS上のLinuxです。学習環境がそのまま実務に直結する

「練習用の環境がほしいけど、壊すのが怖い」という方にこそ、クラウドやVPSはぴったりの選択肢です。

クラウドとVPSの違いを理解する

「クラウド」と「VPS」は似たようなサービスに見えますが、中身はかなり違います。
ここでは、初心者の方が迷わないように、両者の違いをシンプルに整理します。

VPS(Virtual Private Server)
1台の物理サーバーを仮想的に分割して、その一部を借りるサービスです。月額固定料金で使えるため、費用の見通しが立てやすいのが特徴です。代表的なサービスに ConoHa VPS、さくらのVPS、KAGOYA CLOUD VPS などがあります。

クラウド(IaaS)
Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)に代表される、従量課金型のインフラサービスです。使った分だけ料金が発生します。機能は非常に豊富ですが、そのぶん画面や設定項目が多く、初心者には少しハードルが高めです。

両者を比較すると、次のようになります。
比較項目 VPS クラウド(AWS/Azure/GCP)
料金体系 月額固定(数百円~) 従量課金(使った分だけ)
費用の予測しやすさ しやすい 使い方次第で変動する
管理画面のわかりやすさ シンプル 機能が多く複雑
初心者へのおすすめ度 高い 中~やや低い
無料枠 基本的になし あり(12ヶ月無料枠など)
拡張性 プラン変更で対応 非常に柔軟
代表サービス ConoHa VPS / さくらのVPS AWS / Azure / GCP
AWSやGCPには無料枠があるため「タダで試せるならそっちがいい」と思うかもしれません。しかし、無料枠を超えた瞬間に予想外の請求が来るケースは少なくありません。

一方、VPSは月額固定なので「今月いくらかかるか」が最初からわかります。

結論として、Linux学習の最初の一歩にはVPSがおすすめです。
操作に慣れてきたら、AWSやGCPのようなクラウドに挑戦するのが無理のないステップです。

VPSでLinuxサーバーを構築する手順(ConoHa VPSの場合)

ここからは、初心者にとって管理画面がわかりやすく、月額料金も手頃な ConoHa VPS を例に、実際のセットアップ手順を解説します。

1. ConoHa VPSのアカウントを作成する

まず、ConoHa VPSの公式サイト(https://www.conoha.jp/vps/)にアクセスして、アカウントを作成します。

必要なものは以下の3つです。

・メールアドレス
・電話番号(SMS認証用)
・クレジットカードまたはConoHaチャージ(前払い決済)

登録自体は5分もかかりません。

2. サーバーを追加する

アカウント作成後、管理画面(コントロールパネル)にログインして、サーバーを追加します。

設定する項目は次のとおりです。

リージョン:東京(日本国内からの接続なら東京が最速)
サービス:VPS
料金タイプ:「時間課金」または「VPS割引きっぷ」(まずは時間課金でお試しがおすすめ。1時間数円程度)
プラン:メモリ512MBまたは1GB(Linux学習用なら512MBで十分。月額数百円)
イメージタイプ:OS → Ubuntu 24.04(LTS)
rootパスワード:英大文字・英小文字・数字・記号を含む9文字以上のパスワードを設定

rootパスワードは後からSSH接続に使います。忘れないようにメモしておいてください。

「追加」ボタンを押すと、1~2分でサーバーが起動します。

3. サーバーのIPアドレスを確認する

サーバーが起動したら、管理画面のサーバーリストにIPアドレスが表示されます。

例えば「198.51.100.25」のような数字の並びです(実際のIPアドレスはサーバーごとに異なります)。

このIPアドレスを使って、自分のパソコンからサーバーに接続します。

4. SSHでサーバーに接続する

SSH(Secure Shell)は、手元のパソコンからリモートのサーバーに安全に接続するための仕組みです。

Windowsの場合
Windows 10以降であれば、コマンドプロンプトまたはPowerShellからそのままSSH接続できます。

# SSHでVPSに接続する(IPアドレスは自分のサーバーのものに置き換える) $ ssh root@198.51.100.25

初回接続時に「Are you sure you want to continue connecting (yes/no)?」と表示されます。「yes」と入力してEnterを押してください。
続いてrootパスワードを入力します(画面には何も表示されませんが、入力はされています)。

macOSの場合
「ターミナル」アプリを開いて、同じコマンドを実行します。

# macOSのターミナルからSSH接続 $ ssh root@198.51.100.25

接続に成功すると、次のようなプロンプトが表示されます。

Welcome to Ubuntu 24.04 LTS (GNU/Linux 6.8.0-31-generic x86_64) * Documentation: https://help.ubuntu.com * Management: https://landscape.canonical.com * Support: https://ubuntu.com/pro root@vps-198-51-100-25:~#

この画面が表示されれば、VPS上のLinuxに接続完了です。ここからLinuxの世界が始まります。

5. 一般ユーザーを作成する(セキュリティの基本)

rootユーザー(管理者)のまま作業を続けるのは、セキュリティ上おすすめしません。
操作ミスでシステム全体を壊してしまうリスクがあるためです。

まずは練習用の一般ユーザーを作成しましょう。

# 一般ユーザーを作成する(「testuser」の部分は好きな名前に変更可) # adduser testuser Adding user `testuser' ... Adding new group `testuser' (1001) ... Adding new user `testuser' (1001) with group `testuser' ... Creating home directory `/home/testuser' ... Copying files from `/etc/skel' ... New password: Retype new password: passwd: password updated successfully

パスワードを設定したら、そのユーザーにsudo権限を付与します。

# sudo権限を付与する # usermod -aG sudo testuser

次回からは、作成したユーザーでSSH接続しましょう。

# 一般ユーザーでSSH接続する $ ssh testuser@198.51.100.25

VPS上で最初に実行する基本コマンド

サーバーに接続できたら、まずは基本的なコマンドを実行してみましょう。
「自分が操作しているサーバーがどんな状態か」を確認するところから始めます。

1. 自分が誰かを確認する:whoamiコマンド

# 現在のユーザー名を表示する $ whoami testuser

今ログインしているユーザー名が表示されます。rootになっていないことを確認する習慣をつけましょう。

2. 現在地を確認する:pwdコマンド

# 現在のディレクトリを表示する $ pwd /home/testuser

「pwd」は「Print Working Directory」の略で、今自分がいるディレクトリ(フォルダ)を表示します。
ログイン直後は、ホームディレクトリ(/home/ユーザー名)にいるのが通常です。

3. ファイル一覧を表示する:lsコマンド

# ファイルの詳細情報を含めて表示する $ ls -la total 28 drwxr-x--- 3 testuser testuser 4096 Apr 10 10:00 . drwxr-xr-x 3 root root 4096 Apr 10 09:55 .. -rw-r--r-- 1 testuser testuser 220 Mar 31 08:41 .bash_logout -rw-r--r-- 1 testuser testuser 3771 Mar 31 08:41 .bashrc -rw-r--r-- 1 testuser testuser 807 Mar 31 08:41 .profile drwx------ 2 testuser testuser 4096 Apr 10 09:58 .ssh

「ls -la」は、隠しファイルも含めた詳細一覧を表示するコマンドです。
左側の「drwxr-x---」のような文字列はパーミッション(アクセス権限)を表しています。

4. サーバーの情報を確認する:unameコマンド

# OSとカーネルの情報を表示する $ uname -a Linux vps-198-51-100-25 6.8.0-31-generic #31-Ubuntu SMP PREEMPT_DYNAMIC Sat Apr 6 12:00:00 UTC 2024 x86_64 x86_64 x86_64 GNU/Linux

自分が接続しているサーバーのOS、カーネルバージョン、アーキテクチャが確認できます。

5. ファイルを作成して内容を確認する:echoとcatコマンド

# ファイルに文字を書き込む $ echo "Hello, Linux!" > test.txt # ファイルの内容を表示する $ cat test.txt Hello, Linux!

「>」はリダイレクトといって、コマンドの出力結果をファイルに書き込む記号です。
「cat」は「concatenate」の略で、ファイルの中身を画面に表示します。

VPS特有の注意点と実務Tips

VPSはローカル環境(自分のパソコン)とは違い、インターネット上に公開されたサーバーです。
学習用とはいえ、最低限押さえておくべきポイントがあります。

rootでの常用は避ける:先ほど作成した一般ユーザーで作業し、管理者権限が必要な時だけ sudo を使う
パスワードは強固に:VPSは公開されているため、弱いパスワードだと不正ログインされる可能性がある
使わないときはサーバーを停止する:時間課金プランの場合、サーバーが起動している間は料金が発生する。管理画面からシャットダウンしておくと課金を抑えられる
SSH鍵認証の設定を検討する:パスワード認証よりもSSH鍵認証のほうが安全。慣れてきたら設定することをおすすめする

VPSの費用と止め方

「知らない間に高額請求が来ないか心配」という声をよく聞きます。
費用面の不安を解消しておきましょう。

ConoHa VPSの費用目安(2026年4月時点)

プラン メモリ 月額料金 時間料金
512MB 512MB 459円 0.7円/時
1GB 1GB 968円 1.5円/時
2GB 2GB 1,848円 2.8円/時
Linux学習用なら512MBプランで十分です。月額459円、コーヒー1杯分の費用です。

サーバーを止める方法

管理画面の「サーバー」→ 対象サーバーを選択 →「シャットダウン」をクリックするだけです。

時間課金プランの場合、シャットダウン中は課金が止まります(ただし、サーバーを「削除」しない限り、ディスク保持料として微少な費用がかかる場合があります。完全に課金を止めたい場合はサーバーを削除してください)。

VPS割引きっぷ(長期利用の場合)

3ヶ月以上使う見通しがあるなら、VPS割引きっぷを利用すると月額がさらに安くなります。ただし、最初のうちは時間課金で試してみて、続けられそうだと感じてから切り替えるのがおすすめです。

トラブルシュート:よくある問題と対処法

SSHで「Connection refused」と表示されて接続できない

$ ssh root@198.51.100.25 ssh: connect to host 198.51.100.25 port 22: Connection refused

この場合、サーバーが起動していない可能性があります。管理画面でサーバーのステータスが「起動中」になっているか確認してください。「停止中」であれば「起動」ボタンを押して、1~2分待ってから再度接続してみましょう。

SSHで「Connection timed out」と表示される

$ ssh root@198.51.100.25 ssh: connect to host 198.51.100.25 port 22: Connection timed out

タイムアウトは、IPアドレスが間違っているか、ファイアウォール(セキュリティグループ)でSSHポート(22番)がブロックされている可能性があります。管理画面でIPアドレスを再確認してください。

rootパスワードを忘れてしまった

ConoHa VPSの管理画面にはコンソール機能があります。管理画面から「コンソール」を開けば、SSH接続なしでサーバーにログインできます。

それでもログインできない場合は、管理画面からサーバーを再構築(OSの再インストール)するのがもっとも早い解決策です。学習用サーバーであれば、データのバックアップを気にする必要もありません。

「Permission denied (publickey)」と表示される

$ ssh testuser@198.51.100.25 testuser@198.51.100.25: Permission denied (publickey).

サーバー側でパスワード認証が無効になっている場合に表示されます。管理画面のコンソールからログインして、SSHの設定ファイルを確認してください。

# SSH設定ファイルを確認する # cat /etc/ssh/sshd_config | grep PasswordAuthentication PasswordAuthentication no

「no」になっている場合は「yes」に変更して、SSHサービスを再起動します。

# パスワード認証を有効にする(viエディタなどで編集) # sed -i 's/PasswordAuthentication no/PasswordAuthentication yes/' /etc/ssh/sshd_config # SSHサービスを再起動する # systemctl restart sshd

関連記事 ~ ここから実践的なスキルを身につける

この記事でクラウドやVPSでのLinux環境構築がわかったら、次は実際に手を動かしてスキルを身につけていきましょう。

Linux入門シリーズ
WSL2でLinuxを始める手順
Linuxのディレクトリ構造を初心者向けに解説
AIを活用してLinuxコマンドを効率的に学ぶ方法
Linuxを学ぶメリットとは|初心者が今から始めるべき5つの理由

実務で使うLinuxスキル 7テーマ
watchコマンドで定期的にコマンドを繰り返し実行する方法(シェルスクリプト)
chmodコマンドで権限を変更する方法(セキュリティ)
Apacheのタイムアウト設定を変更・確認する方法(サーバー構築)
lsofコマンドでプロセスが使用中のファイルを確認する方法(トラブルシューティング)
ipコマンドでネットワーク設定を確認・変更する方法(ネットワーク)
rsyncコマンドでファイルを同期・転送する方法(ファイルシステム)
Linuxでポート番号の状態を確認するコマンド(現場コラム)

本記事のまとめ

クラウドやVPSを使えば、自宅にサーバーがなくても、月数百円でLinuxの実践環境が手に入ります。
壊しても作り直せる気軽さがあるので、「間違えたらどうしよう」という不安を持つ必要はありません。

まずはVPSで1台サーバーを立てて、コマンドを打ってみてください。
その一歩が、Linux習得の最大の近道です。
やりたいこと 方法・コマンド
VPSにSSHで接続する ssh root@IPアドレス
一般ユーザーを作成する adduser ユーザー名
sudo権限を付与する usermod -aG sudo ユーザー名
現在のユーザーを確認する whoami
現在のディレクトリを確認する pwd
ファイル一覧を表示する ls -la
サーバー情報を確認する uname -a
ファイルの内容を表示する cat ファイル名
SSH設定を確認する cat /etc/ssh/sshd_config | grep PasswordAuthentication
SSHサービスを再起動する systemctl restart sshd
現場で通用する安全なLinuxサーバー構築の「型」を体系的に身につけたい方へ、
無料の「Linuxサーバー構築入門マニュアル(図解60ページ)」をプレゼントしています。
コマンドを「なんとなく打つ」段階から卒業したい方は、ぜひ受け取ってみてください。
無料マニュアルを受け取る >>

暗記不要・1時間後にはサーバーが動く

3,100名以上が実践した「型」を無料で公開中

プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
その「型」を図解60Pにまとめた入門マニュアルを、完全無料でプレゼントしています。

登録10秒/合わなければ解除3秒 / 詳細はこちら

Linux無料マニュアル(図解60P) 名前とメールで30秒登録

宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。