そう思っていませんか?
実は今のWindows 10・11には、PCを買い替えたり仮想マシンを用意したりしなくても、数分でLinux環境が動かせる仕組みが標準で入っています。それが WSL2(Windows Subsystem for Linux 2) です。
この記事では、Linuxを一度も使ったことがない方を対象に、WSL2のインストールから基本コマンドの実行まで、実際の画面イメージを交えながらステップごとに解説します。
読み終えたころには、あなたのWindowsパソコンの中でLinuxが動いているはずです。
この記事のポイント
・WSL2はWindows上でLinuxをネイティブ動作させる公式機能
・インストールはコマンド1行で完了、再起動のみで使える
・Ubuntu 24.04 LTSが自動でセットアップされ、即日コマンド練習が可能
・ls、cd、cat など現場で使われる基本コマンドを実際に確認できる
でも安心してください。プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
WSL2とは何か?なぜ今これが注目されているのか
WSL2は、Microsoftが開発した「Windows上でLinuxをそのまま動かす」技術です。従来、WindowsでLinuxを使う方法は主に3つありました。
・仮想マシン(VirtualBox / VMware):設定が複雑で、PCスペックも必要
・Dual Boot(デュアルブート):再起動が必要で、切り替えが面倒
・VPS・クラウドサーバー:費用がかかり、初心者には敷居が高い
WSL2はこの3つの欠点を一気に解決します。
仮想マシンのように重くなく、デュアルブートのように再起動も不要。コストゼロで、WindowsのファイルエクスプローラーからそのままLinuxのファイルにアクセスできます。
| 方法 | 準備のしやすさ | 動作の速さ | コスト |
|---|---|---|---|
| WSL2 | 非常に簡単 | 速い | 無料 |
| 仮想マシン | やや複雑 | 重め | 無料(ソフト) |
| Dual Boot | 複雑 | 速い | 無料 |
| VPS | 簡単 | 速い | 月額費用あり |
WSL2を使うための動作要件
インストール前に、お使いのパソコンが対応しているか確認しましょう。・OS:Windows 10 バージョン2004以降(ビルド19041以降)、またはWindows 11
・CPU:64ビット対応(現在販売されているPCはほぼ対応済み)
・メモリ:4GB以上推奨(8GB以上あると快適)
・BIOS設定:仮想化(Virtualization / VT-x)が有効になっていること
Windowsのバージョンは、スタートメニューで「winver」と入力して確認できます。
「バージョン 2004」または「21H2」などと表示されていれば対象です。
WSL2のインストール手順
1. PowerShellを管理者として開く
スタートボタンを右クリックして「Windows PowerShell(管理者)」または「ターミナル(管理者)」を選択します。「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と表示されたら「はい」をクリックします。
2. コマンド1行でインストールする
PowerShellに以下のコマンドをそのまま貼り付けて、Enterキーを押します。wsl --install
・WSL機能の有効化
・仮想マシンプラットフォームの有効化
・Ubuntu(最新LTS版)のダウンロードとインストール
ダウンロードには数分かかります。完了したらパソコンを再起動してください。
3. 再起動後にユーザー設定をする
再起動後、Ubuntuのターミナルが自動で起動します。起動しない場合はスタートメニューで「Ubuntu」と検索して開きます。以下のような画面が表示されます。
Installing, this may take a few minutes... Please create a default UNIX user account. The username does not need to match your Windows username. For more information visit: https://aka.ms/wslusers Enter new UNIX username:
パスワードは入力しても画面に表示されません(セキュリティ上の仕様)。落ち着いて入力してEnterを押してください。
4. インストール確認
ユーザー設定が完了すると、以下のようなプロンプトが表示されます。これがLinuxのコマンドラインです。tomohiro@PC-NAME:~$
念のためバージョンを確認してみましょう。
# WSLのバージョン確認(Windowsのコマンドプロンプトや別のPowerShellで実行) wsl --list --verbose
NAME STATE VERSION * Ubuntu Running 2
基本的なLinuxコマンドを実際に使ってみる
環境が整ったら、実際にコマンドを打ってみましょう。Linuxの操作はすべてコマンドが基本です。1. 現在地を確認する:pwdコマンド
pwd
/home/tomohiro
「/home/ユーザー名」がLinuxのホームディレクトリです。Windowsで言う「C:¥Users¥ユーザー名」に相当します。
2. ファイルやフォルダを一覧表示する:lsコマンド
# 現在のディレクトリの内容を表示 ls # 詳細情報(サイズ・権限・日時)を表示 ls -l # 隠しファイルも含めて表示 ls -la
total 28 drwxr-x--- 3 tomohiro tomohiro 4096 Apr 4 09:15 . drwxr-xr-x 3 root root 4096 Apr 4 09:10 .. -rw-r--r-- 1 tomohiro tomohiro 220 Apr 4 09:10 .bash_logout -rw-r--r-- 1 tomohiro tomohiro 3526 Apr 4 09:10 .bashrc -rw-r--r-- 1 tomohiro tomohiro 807 Apr 4 09:10 .profile drwxr-xr-x 2 tomohiro tomohiro 4096 Apr 4 09:15 .ssh
3. ディレクトリを移動する:cdコマンド
# ホームディレクトリに移動 cd ~ # 1つ上の階層に移動 cd .. # /tmp ディレクトリに移動 cd /tmp
4. ファイルを作成して内容を確認する:touchとcatコマンド
# test.txt という空ファイルを作成 touch test.txt # ファイルに文字を書き込む echo "こんにちは、Linux!" > test.txt # ファイルの内容を表示する cat test.txt
こんにちは、Linux!
WindowsのファイルをWSL2から扱う方法
WSL2の便利な点のひとつが、WindowsのファイルシステムにそのままLinuxコマンドでアクセスできることです。Windowsの「Cドライブ」は、WSL2の中から次のパスで参照できます。
# WindowsのCドライブ直下を表示 ls /mnt/c/ # Windowsのデスクトップフォルダを表示 ls /mnt/c/Users/YourWindowsUsername/Desktop/
エクスプローラーのアドレスバーに「\\wsl$\Ubuntu」と入力すると、Linuxのファイルシステムがフォルダとして表示されます。
よくあるトラブルと対処法
「wsl --install」がエラーになる
「仮想化が無効です」というエラーが出た場合は、BIOSの設定で仮想化(Intel VT-x / AMD-V)を有効にする必要があります。パソコンの電源を入れる際にDel/F2/F10キーを押してBIOS設定画面に入り、「Virtualization」や「SVM Mode」をEnabledに変更してください。設定項目の場所はメーカー・機種によって異なります。Ubuntuの起動時に「WslRegisterDistribution failed」と出る
Windows Updateが最新でない場合に起こることがあります。Windowsの「設定」→「Windows Update」から最新の更新プログラムをすべて適用してから、もう一度インストールを試みてください。日本語が文字化けする
WSL2のターミナルで日本語が正しく表示されない場合は、Windows Terminalアプリ(Microsoft Storeから無料でインストール可能)の使用をおすすめします。フォントも自動で対応し、日本語表示が安定します。次のステップ:LinuxスキルをさらにUPさせるには
WSL2でLinuxが動かせたら、次は実際のコマンドをひとつひとつ深く理解していく段階です。以下の記事が参考になります。
・Linuxのディレクトリ構造を解説|/home・/etc・/varの役割とは
・Apacheのタイムアウト設定を変更・確認する方法
・Linuxでポート番号の状態を確認するコマンド|ss/lsofの使い方
コマンドを「覚えようとする」のではなく、「実際に使いながら慣れる」ことが上達の近道です。WSL2があれば、いつでも試せる環境が手元にあります。ぜひ毎日少しずつコマンドに触れてみてください。
まとめ
| やること | 方法・コマンド |
|---|---|
| WSL2をインストールする | wsl --install(管理者PowerShellで実行) |
| バージョンを確認する | wsl --list --verbose |
| 現在のディレクトリを確認する | pwd |
| ファイル一覧を表示する | ls -la |
| ディレクトリを移動する | cd ディレクトリ名 |
| ファイルの内容を確認する | cat ファイル名 |
| WindowsのCドライブにアクセスする | ls /mnt/c/ |
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