Linuxのディストリビューション一覧と選び方|Ubuntu・Rocky Linux・RHELの違いを初心者向けに解説


この記事の監修:宮崎智広(Linux教育歴15年以上・受講者3,100名超)
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「Linuxを使いたいけど、種類が多すぎてどれを選べばいいか分からない」
「UbuntuとRocky Linuxって何が違うの?」
「CentOSが終了したと聞いたけど、代わりに何を使えばいいの?」
Linuxを学ぼうとすると、必ずぶつかるのがこのディストリビューション選びの問題です。

この記事では、2026年現在の主要ディストリビューションを一覧で紹介し、用途別の選び方(サーバー/学習/IoT/クラウド)を解説します。CentOSの終了経緯とRocky Linux・AlmaLinuxへの移行についても取り上げます。

この記事のポイント

・ディストリビューションはLinuxカーネル+ソフト群をまとめたパッケージのこと
・2026年現在の主役はUbuntu 24.04 LTS・Rocky Linux 9・RHEL 10
・CentOSは2024年6月に終了。後継はRocky Linux/AlmaLinux
・用途別に選ぶのが正解。学習用=Ubuntu、本番サーバー=Rocky/RHEL


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そもそもディストリビューションとは何か

Linuxカーネル(OSの本体)だけでは、コンピュータを実際に使うことはできません。シェル・パッケージマネージャー・システムサービス・GUIなど、多くのソフトウェアが揃って初めてOSとして機能します。

これらを一まとめにして配布しているものが「ディストリビューション」(distribution、略してdistro)です。

ディストリビューションを作り配布している組織や企業のことを「ディストリビューター」と呼びます。Ubuntuの場合はCanonical社、RHELの場合はRed Hat(IBM)がディストリビューターにあたります。

主要ディストリビューション一覧(2026年現在)

現在のLinuxエコシステムを整理すると、大きく「Red Hat系」「Debian/Ubuntu系」「その他」の3系統に分けられます。

ディストリビューション 系統 主な用途 特徴
Ubuntu 24.04 LTS Debian系 学習・デスクトップ・クラウド 最大のコミュニティ、5年LTSサポート
Rocky Linux 9 Red Hat系(RHELクローン) 企業サーバー・学習 RHEL完全互換・無料・CentOS後継
RHEL 10 Red Hat系 エンタープライズ本番環境 有料・IBMが提供する業界標準
AlmaLinux OS Red Hat系(RHELクローン) 企業サーバー Rocky Linuxと並ぶCentOS後継
Debian 12 Debian系 サーバー・安定重視 歴史が長く安定性が高い。Ubuntu/Raspbianの親
Raspberry Pi OS Debian系 IoT・電子工作・教育 Raspberry Pi専用。Debianベース
Fedora 40 Red Hat系 開発者・最新技術検証 RHELの上流プロジェクト。最新機能が先行導入

Red Hat系ディストリビューションの詳細

1. RHEL(Red Hat Enterprise Linux)10

Red Hat(現在はIBM傘下)が提供する、エンタープライズ向けの商用Linuxです。2026年現在の最新バージョンはRHEL 10です。

有料サポート契約が必要:ライセンスは無料ではないが、企業が安心して使えるサポート体制が整っている
10年間のサポート保証:メジャーバージョンが10年サポートされるため、本番環境での長期運用に向いている
各種認定資格の試験環境:RHCSA・RHCE資格の試験はRHEL環境で行われる
クラウドでの利用:AWS・Azure・GCPでもRHELが使える(PAYG型の課金で利用可)

2. Rocky Linux 9(CentOS後継の主力)

Rocky Linuxは、CentOS 8終了後の2021年にCentOSプロジェクトの創設者が立ち上げたRHELクローンです。現在の最新バージョンはRocky Linux 9です。

# Rocky Linux 9のバージョン確認 cat /etc/rocky-release # Rocky Linux release 9.3 (Blue Onyx) cat /etc/os-release | grep -E "^NAME|^VERSION" # NAME="Rocky Linux" # VERSION="9.3 (Blue Onyx)"

RHELとのバイナリ互換性を保っており、RHELで動くソフトウェアはRocky Linuxでもそのまま動きます。企業のCentOSからの移行先として広く採用されています。

無料で利用可能:CentOSと同様にオープンソース
企業・コミュニティのサポート:Rocky Linux公式フォーラム・Rocky Linux Foundation によるサポート
本番環境での採用実績:国内外の大手企業がCentOSからの移行先として採用

3. AlmaLinux OS

AlmaLinuxも、RHELクローンとしてCentOSの後継に位置づけられます。CloudLinux社が支援するAlmaLinux OS Foundationが開発しています。

Rocky LinuxとAlmaLinuxは機能的にほぼ同等です。選択基準は「どちらのコミュニティやサポート体制が自分たちの組織に合っているか」で判断することが多いです。

4. Fedora

FedoraはRHELの上流(アップストリーム)プロジェクトです。RHELに新機能が取り込まれる前に、まずFedoraで実証されます。

最新技術を素早く取り込む:最新のカーネルやソフトウェアがいち早く使える
サポート期間が短い:約6ヶ月ごとのリリースサイクル、サポートは約13ヶ月
用途:開発者のデスクトップ環境・新機能のテストに向いている

Debian/Ubuntu系ディストリビューションの詳細

1. Ubuntu 24.04 LTS(Noble Numbat)

現在Linuxディストリビューションの中で最大のユーザーベースを持つのがUbuntuです。Canonical社が開発・サポートを提供しています。

# Ubuntu 24.04のバージョン確認 lsb_release -a # Distributor ID: Ubuntu # Description: Ubuntu 24.04.1 LTS # Release: 24.04 # Codename: noble # または cat /etc/os-release | grep -E "^NAME|^VERSION" # NAME="Ubuntu" # VERSION="24.04.1 LTS (Noble Numbat)"

5年間のLTSサポート:2024年4月リリースで2029年4月まで標準サポート、有償の10年延長サポートも可
クラウドで最も普及:AWS EC2・GCP・AzureのデフォルトイメージにUbuntuが使われることが多い
WSL2での利用も可能:Windows上のWSL2でも最も利用されているディストリビューション
学習リソースが豊富:日本語・英語ともにドキュメントやQ&Aが充実している

2. Debian 12(Bookworm)

Debian GNU/LinuxはUbuntuをはじめ多くのディストリビューションのベースになっているオリジナルです。

安定性最優先:パッケージのバージョンは保守的で、枯れた(実績のある)ソフトウェアを採用
純粋なオープンソース哲学:非フリーのファームウェアはデフォルトで除外されていた(12からは選択可)
用途:インターネットサービスプロバイダーのサーバーや、安定性重視のシステムに適している

3. Raspberry Pi OS

ラズベリーパイ財団が提供するDebian派生のOSです。Raspberry Piシングルボードコンピュータ専用に最適化されています。

IoT・電子工作に最適:GPIO制御・各種センサー対応のライブラリが充実
軽量設計:ARMアーキテクチャで動作、リソースの少ないデバイスでも軽快
教育用途:プログラミング教育向けのツール・IDEが標準で含まれる

CentOS終了の経緯とRocky Linux・AlmaLinuxへの移行

1. CentOSとは何だったのか

CentOSは2000年代から2020年代にかけて、企業のサーバーで最もよく使われていたLinuxディストリビューションの一つです。RHEL互換でありながら無料で使えるため、多くの企業やレンタルサーバーで採用されていました。

2. CentOS Streamへの移行とサポート終了

2020年12月、Red Hatは突然「CentOS 8のサポートを2021年末で終了し、CentOS Streamへ移行する」と発表しました。これはコミュニティに大きな衝撃を与えました。

CentOS StreamはRHELの「上流開発版」となり、従来のRHELクローンではなくなりました。

CentOS 8:2021年12月31日にサポート終了(当初の予定より8年早い)
CentOS 7:2024年6月30日にサポート終了(こちらは予定通り)

現在、CentOS 7/8をまだ使っているシステムはセキュリティパッチが当たらない状態にあり、速やかな移行が推奨されています。

3. 移行先の選択肢

CentOSからの移行先として主に以下が検討されます。

Rocky Linux 9 / AlmaLinux OS:RHELクローンを維持したい場合の最有力候補
RHEL 10(有償):企業として公式サポートが必要な場合
Ubuntu 24.04 LTS:Red Hat系に縛られない場合の有力候補

移行時は、パッケージマネージャーの違い(yum/dnf vs apt)や、SELinuxの設定、ファイアウォール管理(firewalld vs ufw)などに注意が必要です。

用途別のディストリビューション選び方

1. Linuxをこれから学ぶ場合

学習用には Ubuntu 24.04 LTS が最もおすすめです。

理由:日本語のドキュメントが多い。WSL2でWindowsから試せる。AWS等クラウドでの利用実績が豊富で実務に直結しやすい
次のステップ:基本コマンドに慣れたら、Rocky Linux 9を別環境に立てて、Red Hat系の操作も覚えると市場価値が上がる

2. 企業のサーバー構築・運用

Rocky Linux 9 または RHEL 10 が有力です。

無料で運用したい場合:Rocky Linux 9(もしくはAlmaLinux OS)
有償サポートが必要な場合:RHEL 10(レッドハット社との契約)
判断基準:24時間365日の有人サポートが必要、またはRed Hat認定資格の受験環境が必要ならRHEL、そうでなければRocky/AlmaLinuxで十分なケースが多い

3. クラウド環境(AWS・GCP・Azure)

Amazon Linux 2023(AWS独自)または Ubuntu 24.04 LTS が実績豊富です。

Amazon Linux 2023:AWSのEC2に最適化。Fedora系のパッケージ管理(dnf)を採用。AWSとの相性が良い
Ubuntu:GCP・Azureでも標準的に使える。マルチクラウドで統一したい場合に便利

4. IoT・Raspberry Pi・組み込み

Raspberry Pi OS(旧Raspbian)が最適です。

Raspberry Pi専用に最適化:ハードウェア制御のサポートが充実
Ubuntu for Raspberry Pi:Ubuntuの標準環境で学習しながらIoTも扱いたい場合の選択肢

ディストリビューション間の主な違い(パッケージ管理)

ディストリビューションを切り替えるときに最初に戸惑うのがパッケージ管理コマンドの違いです。

系統 パッケージ形式 管理コマンド 主なディストリ
Red Hat系 .rpm dnf / yum RHEL・Rocky・AlmaLinux・Fedora
Debian系 .deb apt / apt-get Debian・Ubuntu・Raspberry Pi OS

例えば、Apacheをインストールするコマンドは次のように違います。

# Red Hat系(RHEL/Rocky Linux/AlmaLinux) sudo dnf install httpd # Debian/Ubuntu系 sudo apt install apache2

パッケージ名やサービス名も違うことがあるため、別のディストリへ移行するときはドキュメントの確認が必要です。

本記事のまとめ


用途 おすすめディストリビューション
Linux入門・学習 Ubuntu 24.04 LTS
企業サーバー(無料) Rocky Linux 9 / AlmaLinux OS
エンタープライズ本番(有償サポート必須) RHEL 10
クラウド(AWS) Amazon Linux 2023 / Ubuntu 24.04 LTS
IoT・Raspberry Pi Raspberry Pi OS
CentOS 7/8からの移行 Rocky Linux 9 / AlmaLinux OS

ディストリビューションは「どれが一番良いか」ではなく「何のために使うか」で選ぶのが正解です。学習目的ならUbuntuから始めて、業務要件に合わせてRHEL系を覚えていくと効率的です。

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。