そんな声をよく聞きます。
WSL2のインストール手順は情報が豊富ですが、「入れた後に何をすればいいか」を解説した記事は意外と少ないのが現状です。
せっかくLinux環境が手元にあるのに、ターミナルを開いただけで閉じてしまっていませんか。
この記事では、WSL2をインストールした後の日常的な使い方を解説します。
WindowsとLinux間のファイルのやり取り、VS Codeとの連携、Windowsターミナルの活用、パッケージ管理の基本まで、初心者がすぐに実践できる内容をまとめました。
※動作確認環境: Ubuntu 24.04 LTS / WSL2(Windows 11)
この記事のポイント
・WSL2はインストール後の活用が本番
・/mnt/c/ でWindowsファイルをLinuxから直接操作できる
・VS CodeのRemote WSL拡張でLinux開発が快適になる
・aptコマンドでソフトウェアを追加・管理できる
でも安心してください。プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
WSL2を起動する3つの方法
WSL2をインストールした直後は、「どこからLinuxを開けばいいの?」と迷う方が多いです。実は起動方法は3つあり、用途に応じて使い分けられます。
1. スタートメニューから起動する
最も基本的な方法です。スタートメニューで「Ubuntu」と入力すると、アプリ一覧に表示されます。クリックするとターミナル画面が開き、すぐにLinuxコマンドを実行できます。
2. Windowsターミナルから起動する
Windowsターミナル(Microsoft Store から無料でインストール可能)を使うと、タブでPowerShellとLinuxを切り替えられます。Windowsターミナルを開いたら、タブ横の「+」ボタンの右にある「v」をクリックして「Ubuntu」を選択するだけです。
3. コマンドプロンプトやPowerShellから起動する
コマンドプロンプトやPowerShellで以下を実行すると、そのままLinuxに切り替わります。# PowerShellからWSL2に切り替える wsl
tomohiro@PC-NAME:/mnt/c/Users/tomohiro$
$ に変わったら、Linuxに入れた証拠です。元のPowerShellに戻るには
exit と入力します。WindowsとLinux間でファイルをやり取りする
WSL2の大きな強みは、WindowsとLinuxの間でファイルを自由にやり取りできることです。2つのOS間でファイルを扱う方法を覚えておくと、作業効率が格段に上がります。
1. LinuxからWindowsのファイルにアクセスする
WindowsのCドライブは、Linux側から/mnt/c/ というパスで参照できます。# Windowsのデスクトップに移動する cd /mnt/c/Users/YourName/Desktop/ # デスクトップのファイル一覧を表示する ls -l
total 8 -rwxrwxrwx 1 tomohiro tomohiro 1024 Apr 10 09:30 report.xlsx -rwxrwxrwx 1 tomohiro tomohiro 512 Apr 10 10:15 memo.txt drwxrwxrwx 1 tomohiro tomohiro 4096 Apr 9 14:20 project
注意: /mnt/c/ 経由のファイル操作は、Linux内部のファイル操作と比べると速度がやや遅くなります。大量のファイルを扱う作業は、Linux側のホームディレクトリ(/home/ユーザー名/)で行うのがおすすめです。
2. WindowsからLinuxのファイルにアクセスする
逆方向も簡単です。Windowsのエクスプローラーのアドレスバーに次のパスを入力します。\\wsl$\Ubuntu
もうひとつの方法として、WSL2のターミナルから次のコマンドを実行すると、現在のディレクトリをエクスプローラーで直接開けます。
# 現在のディレクトリをエクスプローラーで開く explorer.exe .
.(ドット)は「現在のディレクトリ」を意味します。忘れずに入力してください。3. ファイルをコピーする実践例
WindowsのデスクトップにあるファイルをLinux側にコピーする例です。# Windowsのデスクトップからホームディレクトリへコピーする cp /mnt/c/Users/YourName/Desktop/memo.txt ~/ # コピーされたことを確認する ls -l ~/memo.txt
-rwxrwxrwx 1 tomohiro tomohiro 512 Apr 10 10:15 /home/tomohiro/memo.txt
~/ はLinuxのホームディレクトリ(/home/ユーザー名/)を指す省略記号です。Windowsターミナルを使いこなす
WSL2を日常的に使うなら、Windowsターミナルの活用が欠かせません。標準のコマンドプロンプトよりも格段に使いやすく、Microsoft Storeから無料でインストールできます。
1. 便利な基本操作
Windowsターミナルで覚えておきたい操作は次の3つです。・タブの追加:
Ctrl + Shift + T で新しいタブを開く・画面の分割:
Alt + Shift + D でペイン(画面分割)を追加・フォントサイズの変更:
Ctrl + マウスホイール で拡大・縮小画面分割は、片方でコマンドを実行しながら、もう片方でファイルの中身を確認するといった使い方に便利です。
2. デフォルトプロファイルをUbuntuに変更する
Windowsターミナルを開いたときに、毎回Ubuntuが起動するように設定できます。・Windowsターミナルの設定画面を開く(
Ctrl + ,)・「スタートアップ」の「既定のプロファイル」を「Ubuntu」に変更する
・「保存」をクリックする
これで、ターミナルを開くたびにLinux環境がすぐに使えます。
VS Code と WSL2 を連携させる
VS Code(Visual Studio Code)は、Microsoftが提供する無料のエディタです。WSL2との連携機能が標準で用意されており、WindowsのVS Codeから直接Linux上のファイルを編集できます。
1. 拡張機能をインストールする
VS Codeを起動したら、左側の拡張機能アイコン(四角が4つ並んだマーク)をクリックして、検索ボックスに「WSL」と入力します。「WSL」という拡張機能(提供元: Microsoft)が表示されるので、「インストール」をクリックしてください。
2. WSL2のターミナルからVS Codeを開く
拡張機能のインストール後、WSL2のターミナルから次のコマンドを実行します。# ホームディレクトリに移動する cd ~ # 練習用のディレクトリを作成する mkdir -p practice # 練習用ディレクトリをVS Codeで開く code practice
完了するとWindowsのVS Codeが起動し、左下に「WSL: Ubuntu」と表示されます。
この状態でファイルを編集・保存すると、Linux側のファイルが直接更新されます。
3. VS Code内のターミナルを使う
VS Codeの上部メニューから「ターミナル」→「新しいターミナル」を選択すると、エディタの下部にLinuxのターミナルが開きます。これにより、ファイルの編集とコマンドの実行を一つの画面で同時にできます。
# VS Code内のターミナルでファイルを作成する echo "Hello from WSL2" > hello.txt # ファイルの内容を確認する cat hello.txt
Hello from WSL2
aptコマンドでソフトウェアを管理する
Linuxでは、ソフトウェアのインストールや更新を「パッケージマネージャー」で行います。Ubuntu(WSL2のデフォルト)では
apt コマンドを使います。Windowsでいえば「Microsoft Storeからアプリを入れる」のに似た仕組みです。1. パッケージ一覧を更新する
ソフトウェアをインストールする前に、まずパッケージの一覧情報を最新にします。# パッケージ一覧を最新にする sudo apt update
Hit:1 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble InRelease Get:2 http://archive.ubuntu.com/ubuntu noble-updates InRelease [126 kB] Get:3 http://security.ubuntu.com/ubuntu noble-security InRelease [126 kB] Fetched 252 kB in 2s (126 kB/s) Reading package lists... Done Building dependency tree... Done 12 packages can be upgraded. Run 'apt list --upgradable' to see them.
sudo は管理者権限でコマンドを実行するためのものです。パスワードを求められたら、WSL2のセットアップ時に設定したパスワードを入力してください。2. ソフトウェアをインストールする
例として、テキストファイルの中身を色分け表示してくれるツールbat をインストールしてみましょう。# batをインストールする sudo apt install -y bat
-y は確認メッセージに自動で「Yes」と答えるオプションです。3. インストール済みのパッケージを確認する
# インストール済みパッケージを検索する apt list --installed 2>/dev/null | grep bat
bat/noble,now 0.24.0-1build1 amd64 [installed]
日常的に使えるコマンド操作
WSL2で毎日のように使う実践的なコマンドを紹介します。覚える必要はありません。必要なときにこのページを見返して、実際に手を動かしてみてください。
1. ファイルを検索する
# ホームディレクトリ以下で .txt ファイルを探す find ~/ -name "*.txt" -type f
/home/tomohiro/memo.txt /home/tomohiro/practice/hello.txt
2. ファイルの中身からキーワードを探す
# カレントディレクトリ以下で "error" を含む行を探す grep -r "error" ./ --include="*.txt"
./log/app.txt:2026-04-10 09:15:32 error: connection timeout
3. ディスク使用量を確認する
# WSL2のディスク使用量を確認する df -h /
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/sdc 1007G 2.1G 954G 1% /
WSL2の停止と再起動
WSL2はバックグラウンドで動作し続けるため、PCのメモリを消費します。使い終わったら停止する習慣をつけましょう。
# WSL2を停止する(PowerShellで実行) wsl --shutdown # WSL2の状態を確認する(PowerShellで実行) wsl --list --verbose
NAME STATE VERSION * Ubuntu Stopped 2
再びスタートメニューやWindowsターミナルからUbuntuを開けば、自動で再起動します。
トラブル対処:WSL2が動かない場合の解決策
「WSL2のターミナルが開かない」場合
Windowsの更新後にWSL2が起動しなくなることがあります。PowerShellで次のコマンドを試してください。# WSL2を最新に更新する(PowerShellで実行) wsl --update
「sudo apt update でエラーが出る」場合
ネットワーク接続の問題が原因であることが多いです。まずインターネットに接続されているか確認しましょう。# インターネット接続を確認する ping -c 3 google.com
PING google.com (142.250.xxx.xxx) 56(84) bytes of data. 64 bytes from nrt12s51-in-f14.1e100.net: icmp_seq=1 ttl=117 time=3.45 ms 64 bytes from nrt12s51-in-f14.1e100.net: icmp_seq=2 ttl=117 time=3.21 ms 64 bytes from nrt12s51-in-f14.1e100.net: icmp_seq=3 ttl=117 time=3.33 ms --- google.com ping statistics --- 3 packets transmitted, 3 received, 0% packet loss, time 2003ms
それでも解決しない場合は、
wsl --shutdown で一度停止してから再起動すると改善することがあります。「日本語が文字化けする」場合
WSL2で日本語を正しく表示するには、ロケール(言語設定)を確認します。# 現在のロケール設定を確認する locale
LANG=C.UTF-8 LANGUAGE= LC_CTYPE="C.UTF-8" LC_NUMERIC="C.UTF-8"
C.UTF-8 または ja_JP.UTF-8 であれば問題ありません。Windowsターミナルを使うとフォントが自動で対応するため、日本語表示が安定します。
関連記事 ~ 次のステップへ進む
WSL2の日常的な使い方が身についたら、Linuxの各分野をさらに深掘りしましょう。Linux入門シリーズ
・Linuxとは何か?WindowsやMacとの違いを初心者向けに解説
・Linuxを学ぶメリットとは|初心者が今から始めるべき5つの理由
・WSL2でLinuxを始める手順|インストールから基本コマンドまで
・Linuxのコマンドライン入門|ターミナルの開き方から基本操作まで
・Linuxのファイル操作入門|コピー・移動・削除の基本コマンドを初心者向けに解説
実務で使うLinuxスキル 7テーマ
・tmuxコマンドでターミナルを分割・管理する方法(シェルスクリプト)
・chmodコマンドで権限を変更する方法(セキュリティ)
・Apacheのタイムアウト設定を変更・確認する方法(サーバー構築)
・straceコマンドでプロセスのシステムコールを追跡する方法(トラブルシューティング)
・ncコマンドでネットワーク接続をテストする方法(ネットワーク)
・rsyncコマンドでファイルを同期・転送する方法(ファイルシステム・ストレージ)
・Linuxでポート番号の状態を確認するコマンド(現場コラム)
本記事のまとめ
この記事では、WSL2をインストールした後の日常的な使い方を解説しました。| やりたいこと | 方法 |
|---|---|
| WSL2を起動する | スタートメニュー、Windowsターミナル、またはPowerShellで wsl |
| LinuxからWindowsのファイルを開く | ls /mnt/c/Users/ユーザー名/ |
| WindowsからLinuxのファイルを開く | エクスプローラーで \\wsl$\Ubuntu |
| VS CodeでLinuxのファイルを編集する | WSL拡張を入れて code ディレクトリ名 |
| ソフトウェアをインストールする | sudo apt install -y パッケージ名 |
| WSL2を停止する | PowerShellで wsl --shutdown |
VS Codeとの連携やファイルのやり取りを覚えれば、Windowsの画面を離れることなくLinuxの操作を練習できます。
まずは今日から、Windowsターミナルを開いてLinuxに触れる習慣をつけてみてください。
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