Linuxのテキスト編集入門|nanoの使い方とviの基本操作を初心者向けに解説


この記事の監修:宮崎智広(Linux教育歴15年以上・受講者3,100名超)
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「Linuxでファイルを編集したいけど、メモ帳みたいなソフトはないの?」
「viって打ったら画面が変になって、終了すらできなくなった。」

Linuxを触り始めた人が必ずぶつかる壁が、テキストエディタの操作です。
Windowsではメモ帳をダブルクリックすれば文字が打てますが、Linuxのターミナルには「マウスで開いて、そのまま入力」という操作がありません。
しかし安心してください。最初に覚えるエディタをnano(ナノ)にすれば、メモ帳に近い感覚でファイルを編集できます。

この記事では、Linux初心者が最初に使うべきテキストエディタとして nano の基本操作を解説し、
さらに現場で標準的に使われている vi(vim)の最低限の操作も紹介します。
「設定ファイルをちょっと書き換えたい」「シェルスクリプトを書きたい」といった場面で困らないレベルを目指しましょう。

実行環境: Ubuntu 24.04 LTS(WSL2)で動作確認済み

この記事のポイント

・nanoならCtrl+Oで保存、Ctrl+Xで終了と直感的に操作できる
・viはiキーで入力、Escで戻り、:wqで保存終了の3ステップ
・設定ファイルの編集はnanoで始めれば失敗しにくい
・viは現場の標準なので最低限の操作だけ先に覚えておく


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Linuxで「テキストエディタ」が必要になる場面

Linuxを使い始めると、いろいろな場面で「ファイルの中身を書き換える」必要が出てきます。
Windowsならメモ帳やWordを開けばすぐに編集できますが、Linuxのターミナルではテキストエディタというツールを使います。

たとえば、次のような場面です。

ネットワーク設定を変更したい:IPアドレスやDNSの設定ファイルを書き換える
Webサーバーの設定を調整したい:Apacheやnginxの設定ファイルを編集する
シェルスクリプトを作りたい:自動化のためのスクリプトファイルを新規作成する
cronの設定を追加したい:定期実行のスケジュールをファイルに書き込む

つまり、テキストエディタの操作はLinuxを使ううえで避けて通れない基本スキルです。
Windowsのように「ファイルをダブルクリックして編集」という操作はないので、
コマンドでエディタを起動して、キーボードだけで編集する方法を覚える必要があります。

nano と vi ~ 2つのエディタの違い

Linuxには複数のテキストエディタがありますが、初心者が知っておくべきなのはnano(ナノ)とvi(ヴィーアイ)の2つです。

比較項目 nano vi(vim)
操作の難しさ 簡単(メモ帳に近い) やや難しい(モード切替が必要)
画面下のガイド表示 あり(操作キーが常に表示される) なし(覚えていないと何もできない)
起動コマンド nano ファイル名 vi ファイル名
保存 Ctrl+O → Enter Escキー → :w → Enter
終了 Ctrl+X Escキー → :q → Enter
現場での普及度 個人の学習・簡単な編集向き サーバー現場の事実上の標準

結論としては、最初はnanoで操作に慣れて、並行してviの基本だけ覚えておくのがもっとも効率のよい順番です。
「いきなりviから始めなきゃ」と思う必要はありません。

nanoの基本操作 ~ ファイルを開いて編集・保存する

nanoは、起動するとすぐに文字を入力できるエディタです。
Windowsのメモ帳と同じ感覚で使えるので、初めてのLinuxエディタに最適です。

1. nanoでファイルを開く

ターミナルで次のコマンドを入力します。

# nanoで新しいファイルを開く nano test.txt

ファイルが存在しない場合は、新規作成として開きます。
すでにファイルがある場合は、その中身が表示されます。

2. 文字を入力する

nanoを起動したら、そのままキーボードで文字を入力できます。
特別な操作は不要です。カーソルキー(矢印キー)で移動して、BackSpaceで削除、そのまま文字を打ちます。

画面の下に操作ガイドが表示されているのがnanoの特徴です。

GNU nano 7.2 test.txt Hello, Linux! This is my first file. [ New File ] ^G Help ^O Write Out ^W Where Is ^K Cut ^X Exit ^R Read File ^\ Replace ^U Paste

ここで「^O」は「Ctrl+O」を意味します。「^X」は「Ctrl+X」です。

3. ファイルを保存する(Ctrl+O)

編集が終わったら、Ctrl+O(Ctrlキーを押しながらOキー)を押します。
画面下にファイル名の確認が表示されるので、そのままEnterキーを押せば保存完了です。

File Name to Write: test.txt # ファイル名を確認してEnterキーを押す

4. nanoを終了する(Ctrl+X)

Ctrl+X(Ctrlキーを押しながらXキー)で終了します。
保存していない変更がある場合は「Save modified buffer?」と聞かれるので、Yキーを押してからEnterで保存して終了します。

5. nanoでよく使うキー操作まとめ

やりたいこと キー操作
ファイルを保存する Ctrl+O → Enter
nanoを終了する Ctrl+X
文字列を検索する Ctrl+W → 検索語を入力 → Enter
行番号を表示する Ctrl+C(カーソル位置の行番号を表示)
行を切り取る Ctrl+K
切り取った行を貼り付ける Ctrl+U
操作を元に戻す Alt+U

viの基本操作 ~ 最低限これだけ覚えれば大丈夫

vi(正確にはvim)は、Linuxのサーバー現場でもっとも広く使われているテキストエディタです。
ほぼすべてのLinuxディストリビューションに最初からインストールされているため、
「このサーバーにはnanoが入っていない」という状況でもviなら必ず使えます。

ただし、viには「モード」という概念があり、これが初心者を混乱させる最大の原因です。
まずはモードの仕組みを理解しましょう。

1. viの2つのモードを理解する

viには大きく分けて2つのモードがあります。

コマンドモード:文字の入力はできない。カーソル移動、コピー、削除、保存などの操作を行うモード
入力モード(インサートモード):普通に文字を入力できるモード

viを起動した直後はコマンドモードです。
そのままキーボードを打っても文字は入力されず、意図しない操作が実行されて画面がおかしくなります。
これが「viを開いたら画面が変になった」という初心者のトラブルの正体です。

2. viでファイルを開く

# viでファイルを開く vi test.txt

起動直後はコマンドモードです。画面の左下に何も表示されていなければコマンドモードの状態です。

3. 入力モードに切り替える(iキー)

iキーを押すと入力モードに切り替わります。
画面の左下に「-- INSERT --」と表示されたら、文字を入力できる状態です。

Hello, Linux! This is my first file. ~ ~ -- INSERT --

この状態で自由に文字を入力できます。

4. コマンドモードに戻る(Escキー)

入力が終わったら、Escキーを押してコマンドモードに戻ります。
「-- INSERT --」の表示が消えたら、コマンドモードに戻った合図です。

迷ったときはとりあえずEscキーを何回か押してください。
何回押しても壊れることはありません。コマンドモードに確実に戻れます。

5. 保存して終了する(:wq)

コマンドモードの状態で、:wq と入力してEnterキーを押します。

# 保存して終了 :wq

:w は「write(書き込み=保存)」
:q は「quit(終了)」
:wq で「保存してから終了」という意味です

保存せずに終了したい場合は :q! と入力します。「!」は「変更を破棄して強制終了」という意味です。

6. viの最低限のコマンドまとめ

やりたいこと 操作
ファイルを開く vi ファイル名
文字を入力する iキーで入力モードに切り替えてから入力
入力をやめる Escキーでコマンドモードに戻る
保存して終了する Escキー → :wq → Enter
保存せずに終了する Escキー → :q! → Enter
1行削除する コマンドモードで dd
操作を元に戻す コマンドモードで u

実践 ~ 設定ファイルを編集してみよう

ここまでの操作を使って、実際にLinuxの設定ファイルを編集する練習をしてみましょう。
自分のホームディレクトリにある .bashrc というファイルにコメントを1行追加します。

1. nanoで.bashrcを開く

# .bashrcをnanoで開く nano ~/.bashrc

2. ファイルの末尾にコメントを追加する

カーソルキーでファイルの一番下まで移動し、次の1行を追加します。

# My first edit on Linux - 2026-04-16

3. 保存して終了する

Ctrl+O → Enter で保存し、Ctrl+X で終了します。

4. 編集結果を確認する

catコマンドでファイルの末尾を確認しましょう。

# ファイルの末尾5行を表示 tail -5 ~/.bashrc

実行結果の例です。

$ tail -5 ~/.bashrc fi # enable programmable completion features # ...省略... # My first edit on Linux - 2026-04-16

追加した行が表示されれば成功です。

このように「ファイルを開く → 編集する → 保存して閉じる → 確認する」が、Linuxでのファイル編集の基本的な流れです。

エディタ操作でよくあるトラブルと対処法

「viで文字が打てない」

viを起動した直後はコマンドモードです。iキーを押して入力モードに切り替えてください。
画面左下に「-- INSERT --」と表示されていれば入力できる状態です。

「viを終了できない」

まずEscキーを押してコマンドモードに戻ります。
その後 :q! と入力してEnterキーを押せば、変更を破棄して強制終了できます。
保存してから終了したい場合は :wq と入力してEnterキーです。

「nanoで日本語が入力できない」

ターミナルの文字コード設定がUTF-8になっているか確認してください。
WSL2のUbuntuでは通常UTF-8が標準なので問題ありませんが、古い環境ではロケール設定が必要な場合があります。

# 現在のロケール設定を確認する locale

実行結果の例です。

$ locale LANG=ja_JP.UTF-8 LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8" LC_NUMERIC="ja_JP.UTF-8" # ...省略...

LANG が UTF-8 になっていれば日本語入力に対応しています。

「Permission denied で編集できない」

システムの設定ファイル(/etc/ 配下など)を編集するには管理者権限が必要です。
コマンドの先頭に sudo を付けて実行してください。

# 管理者権限でファイルを編集する sudo nano /etc/hosts

パスワードの入力を求められるので、自分のパスワードを入力してEnterキーを押します。

本記事のまとめ

やりたいこと nano vi
ファイルを開く nano ファイル名 vi ファイル名
文字を入力する そのまま入力 iキー → 入力
保存する Ctrl+O → Enter Esc → :w → Enter
終了する Ctrl+X Esc → :q → Enter
保存して終了する Ctrl+O → Ctrl+X Esc → :wq → Enter
変更を捨てて終了する Ctrl+X → Nキー Esc → :q! → Enter

最初はnanoでファイル編集に慣れて、少しずつviの操作を覚えていくのがおすすめです。
どちらのエディタも「開く → 編集する → 保存して閉じる」という流れは同じです。

テキストエディタの操作は、Linuxのコマンド操作と同じくらい重要な基本スキルです。
設定ファイルの編集やシェルスクリプトの作成など、あらゆる場面で必要になります。
まずは自分のファイルを nano で開いて、1行追加して保存する練習から始めてみてください。
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次のステップ ~ 関連記事で実践力を高める

テキストエディタの基本操作を覚えたら、次は実際のコマンド操作やサーバー管理の基礎を学んでいきましょう。
以下の記事で、Linux実務に必要なスキルを段階的に身につけられます。

systemctlコマンドの使い方|サービスの起動・停止・自動起動設定
scpコマンドでファイルを安全に転送する方法|公開鍵認証やディレクトリごとコピーも
sudoコマンドでroot権限を安全に実行する方法|visudoの設定からログ確認まで
ssコマンドでソケット情報を確認する方法|LISTEN・ESTABの見方やポート確認も
Linuxログの調査をする方法|/var/log/の読み方からgrep・journalctlの検索テクニックまで
ipコマンドでネットワーク設定を確認・変更する方法|ifconfigとの違いやアドレス追加も
awkコマンドでテキストを加工する方法|列の抽出・集計やログ解析の実践例も

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。