宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
「CentOS7でどのような新機能が追加されたか把握したい」
「CentOS6からの移行に際して何を確認すればいいか分からない」

CentOS7は単なるバージョンアップではなく、ファイルシステム・initシステム・ファイアウォール・ブートローダーなど、サーバー運用の根幹に関わる変更が多数行われました。

この記事では、CentOS7の主要な新機能・変更点をカテゴリごとに整理して解説します。

【この記事でわかること】
・64ビット版(x86_64)のみサポートで32ビット版は廃止
・カーネル3.10採用でテラバイトクラスメモリ対応・kpatch(無停止カーネルパッチ)が可能
・デフォルトファイルシステムがext4からXFSに変更
・initからsystemdへ移行し、起動・停止が並列化・高速化
・iptablesからfirewalldへ変更、ゾーンによるセキュリティ管理が可能

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アーキテクチャの変更:64ビット版のみサポート

CentOS7は32ビット版が廃止され、64ビットのx86_64アーキテクチャのみをサポートしています。32ビット版x86アーキテクチャのマシンを利用する場合には、CentOS6以前を利用する必要があります。

カーネル3.10の採用

Linuxカーネルに3.10が採用されたことで、以下の機能強化が行われました。

・テラバイトクラスメモリへの対応と、そのメモリが搭載された場合のkdump対応
・OSのスワップメモリを圧縮する「zswap」によりディスクI/Oを低減してパフォーマンスを向上
・プロセスの配置を自動的に行うことでパフォーマンスを向上
・システムを稼働させたままカーネルパッチを適用できる(kpatch)

特に注目すべきは、kpatch(ダイナミック・カーネル・パッチング)です。OSを再起動せずにカーネルにパッチを適用できるため、ダウンタイムの大幅な削減に貢献します。ただし、RHEL7/CentOS7では実験的な機能として位置付けられています。

デフォルトファイルシステムの変更:ext4からXFSへ

標準ファイルシステムがext4からXFSに変更されました。XFSはジャーナリングに関するIOPS(I/O Per Second)を抑えながら、高スループットでデータの読み書きを実現できるファイルシステムです。

最大ファイルシステムサイズ:500TB
最大ファイルサイズ:500TB

インストーラーの全面刷新

インストーラーが全面刷新され、従来の手順を追う方式から、必要な設定だけを行う直感的なユーザーインターフェースに改良されました。インストール実行中にrootパスワード設定や一般ユーザーの作成が行えるなど、操作性が向上しています。

ブートローダーの変更:GRUB2を採用

ブートローダーがGRUB2に変更されました。主な改善点は以下の通りです。

・UEFIセキュアブートをサポート
・RAIDやLVMへの対応が強化
・高速ブートが可能

systemdの採用:initからsystemdへ

CentOS7ではinitに代わり、systemdが採用されました。主な変更点は以下の通りです。

・プロセスをグループ化する機能を持ち、グループごとにリソース制限を設定できる
・initで必要だったアプリケーションの起動・停止用スクリプトが不要になった
・起動・停止処理が並列実行され、従来より高速な起動・停止を実現

詳細は「CentOS7で変わったinit廃止とsystemd導入」の記事も参照してください。

firewalldの採用:iptablesからの移行

ファイアウォール機能が従来のiptablesからfirewalldに変更されました。ネットワークインターフェースを「ゾーン」というグループで管理し、ゾーンごとにセキュリティポリシーを適用できるようになっています。また、ルールを動的に変更できるため、firewall-cmdコマンドでサービスを止めずに設定変更が可能です。

NetworkManagerの強化

NetworkManagerの機能が大幅に強化され、ネットワーク設定や制御をコマンド(nmcli)やGUIツールで行えるようになりました。これに伴い、設定ファイルを直接書き換える方式は非推奨になっています。

仮想環境向けの改善:chronyの採用

仮想サーバー上で利用するドライバ等が改良されています。特に時刻同期においては、chrony が採用されたことで、システムが頻繁に一時停止したりネットワークが断続的に切断されても正常に動作するよう改善されています。

バージョン番号の表記変更

CentOS6までは「メジャーバージョン+マイナーバージョン」(例: CentOS 6.6)でしたが、CentOS7からは「メジャーバージョン+マイナーバージョン+ソースコードの年月」が付与されます。例えば、RHEL7.1をベースに2015年3月にリリースされたソースコードを基にしている場合、CentOS 7.1.1503 と表記されます。

まとめ

変更カテゴリ 変更内容
アーキテクチャ 32bit廃止、x86_64のみサポート
カーネル 3.10系、kpatch(無停止カーネルパッチ)追加
デフォルトFS ext4 → XFS(最大500TB)
initシステム init → systemd(並列起動で高速化)
ファイアウォール iptables → firewalld(ゾーン管理)
ネットワーク管理 NetworkManager強化・nmcli標準化
時刻同期 ntpd → chrony(仮想環境対応強化)
ブートローダー GRUB → GRUB2(UEFI対応)

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として20年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。