Linuxを学ぶメリットとは|初心者が今から始めるべき5つの理由


この記事の監修:宮崎智広(Linux教育歴15年以上・受講者3,100名超)
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「Linuxって聞いたことはあるけど、自分に必要なのかわからない。」
「プログラミングを始めたら"Linuxが必要"と言われたけど、何が変わるの?」

こうした疑問を持っている方は、実はとても多いです。
結論から言えば、Linuxを学ぶことはIT業界で働くうえで大きなアドバンテージになります。求人、クラウド、AI開発、どの方向に進むとしてもLinuxの知識は土台になるからです。

この記事では、なぜ今Linuxを学ぶべきなのか、初心者が押さえておきたい5つの理由をわかりやすく解説します。
後半では、実際にLinuxを触り始める方法と、最初に覚えるコマンド5つも紹介しますので、読み終わったらすぐに手を動かせる構成にしています。

実行環境: Ubuntu 24.04 LTS(WSL2)で動作確認済み

【この記事でわかること】

・Linuxを学ぶと就職・転職で有利になる理由
・クラウドやAI開発でLinuxが必要とされる背景
・初心者がLinuxを始める3つの方法と、おすすめの選び方
・最初に覚えるべき5つのLinuxコマンドと実行例


「このままじゃマズい」と感じていませんか?
参考書を開く気力もない、同年代に取り残される不安——
でも安心してください。プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
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Linuxとは?Windows・Macとの違いを30秒で理解する

Linux(リナックス)は、WindowsやmacOSと同じ「OS(オペレーティングシステム)」の一種です。
OSとは、パソコンを動かすための基本ソフトのことで、キーボードやマウスの入力を受け取ったり、アプリを起動したりする役割を担っています。

「じゃあWindowsやMacがあれば十分では?」と思うかもしれません。
確かに普段のパソコン作業であれば、WindowsやMacで困ることはほとんどありません。しかし、Linuxには他のOSにはない特徴があります。

比較項目 Windows macOS Linux
利用料金 有料(PC代に含まれる) 有料(Mac本体に含まれる) 無料
操作方法 マウス中心(GUI) マウス中心(GUI) コマンド中心(CUI)
主な用途 オフィス作業・ゲーム クリエイティブ・開発 サーバー・クラウド・開発
カスタマイズ性 限定的 限定的 自由自在

実は、Linuxはあなたの生活の「裏側」で毎日動いています。
Webサイトを見るとき、そのサイトが置かれているサーバーの大半はLinuxです。スマートフォンのAndroidもLinuxをベースに作られています。YouTubeやAmazonのサービスも、裏側ではLinuxが支えています。

つまり、Linuxは「目に見えないけれど、ITの世界を動かしている中心的なOS」です。

今Linuxを学ぶべき5つの理由

ここからは、なぜ今このタイミングでLinuxを学ぶべきなのか、具体的な理由を5つ紹介します。

1. IT業界の求人で「Linux経験」が圧倒的に求められている

転職サイトでインフラエンジニアやクラウドエンジニアの求人を見てみてください。
「Linux経験あり」「Linuxサーバーの運用経験」という条件が、ほぼ必ず書かれています。

これはLinuxが業界標準だからです。Windowsサーバーを使っている現場ももちろんありますが、Web系・クラウド系の企業ではLinuxが圧倒的に多く採用されています。

私のセミナーでも、受講生の多くが「転職のためにLinuxを学びたい」「未経験からインフラエンジニアを目指している」という動機で参加されます。Linuxを知っていること自体が、IT業界では大きな武器になります。

2. クラウドサーバーの90%以上がLinuxで動いている

AWS(Amazon Web Services)、GCP(Google Cloud Platform)、Azure(Microsoft Azure)。
これらのクラウドサービスで提供されるサーバーの90%以上がLinuxで動いています。

企業が自社のサービスをクラウドに移行する流れは加速しており、クラウド上でサーバーを構築・運用できるエンジニアの需要は年々高まっています。
クラウドを使いこなすには、Linuxの知識が不可欠です。

3. 無料で使えて、自宅のPCですぐに始められる

Linuxは無料です。WindowsやmacOSのようにライセンス料がかかりません。

しかも、今使っているWindowsパソコンの中にLinux環境を作ることができます。WSL2(Windows Subsystem for Linux 2)という機能を使えば、わずか数分でUbuntuというLinuxディストリビューション(配布版)がインストールされ、すぐにコマンドを試せます。

「高価な機材を買わなければ始められない」ということは一切ありません。今日この記事を読んだ後、すぐに始められます。

4. プログラミングやAI開発の土台になる

Python、Docker、Git。
プログラミングやAI開発でよく使われるこれらのツールは、すべてLinux環境での利用を前提に設計されています。

実際、AI開発やデータ分析で使う機械学習ライブラリの多くは、Linux上で最もスムーズに動作します。Dockerを使ったコンテナ技術も、LinuxカーネルのcgroupsやNamespaceという仕組みの上に成り立っています。

つまり、プログラミングやAIに興味がある人にとって、Linuxは避けて通れない土台です。

5. 一度身につけたスキルが長く使える

ITの世界は変化が激しいですが、Linuxの基本コマンドは20年以上ほとんど変わっていません。

たとえば、ファイルの一覧を表示する ls コマンド、ディレクトリを移動する cd コマンド。これらは2000年代から今日まで、まったく同じ書き方で使えます。

フレームワークやプログラミング言語のように「数年で別のものに置き換わる」ということがありません。一度覚えたコマンドやサーバー操作の考え方は、10年後も20年後も現場で通用します。

私自身、20年近くLinuxサーバーを運用してきましたが、基本操作は当時と今でほとんど変わっていません。これはLinuxを学ぶ最大のメリットの一つです。

初心者がLinuxを始める3つの方法

「Linuxを学ぶメリットはわかった。じゃあ、どうやって始めればいいの?」
ここでは、初心者がLinuxを始める代表的な3つの方法を紹介します。

方法 コスト 難易度 おすすめ度
WSL2(Windows上で動かす) 無料 低い ★★★(最もおすすめ)
VPS(仮想専用サーバー) 月額数百円~ 中程度 ★★☆
VirtualBox(仮想マシン) 無料 やや高い ★★☆

最もおすすめなのはWSL2です。

理由はシンプルで、コストがゼロ、セットアップが簡単、そしてWindowsのアプリと同時に使えるからです。
コマンドを1行実行するだけでUbuntu 24.04 LTSがインストールされ、すぐにLinuxのコマンド操作を始められます。

VPS(Virtual Private Server)は、インターネット上にあるサーバーを借りて使う方法です。実際のサーバー運用に近い経験ができますが、月額費用がかかるため、まずはWSL2で基本を身につけてからステップアップするのがよいでしょう。

VirtualBox(バーチャルボックス)は、パソコンの中に仮想的なPCを作って、そこにLinuxをインストールする方法です。自由度は高いですが、初期設定がやや複雑で、PCのメモリやCPUも多く消費します。

WSL2のインストール手順は、以下の記事で詳しく解説しています。

WSL2でLinuxを始める手順|インストールから基本コマンドまで初心者向け解説

最初に覚える5つのコマンド

Linuxの操作はコマンド(命令文)を入力して行います。
「覚えることが多そう」と感じるかもしれませんが、まず押さえるべきコマンドはたった5つです。

以下は Ubuntu 24.04 LTS(WSL2)で動作確認しています。

1. pwd ~ 今いる場所を確認する

pwd(Print Working Directory)は、今自分がどのディレクトリ(フォルダ)にいるかを表示するコマンドです。

# 今いるディレクトリを表示する pwd

実行結果:

/home/tomohiro

「自分が今どこにいるか」を確認する習慣をつけましょう。Linuxでは、いるディレクトリによってコマンドの実行結果が変わることがあります。

2. ls ~ ファイルの一覧を表示する

ls(List)は、現在のディレクトリにあるファイルやフォルダを一覧表示するコマンドです。

# ファイルの一覧を表示する ls

実行結果:

Desktop Documents Downloads Music Pictures Videos

詳細情報を表示したい場合は、ls -la と入力します。ファイルサイズや更新日時、権限(パーミッション)なども確認できます。

3. cd ~ ディレクトリを移動する

cd(Change Directory)は、別のディレクトリに移動するコマンドです。

# Documentsディレクトリへ移動する cd Documents

移動後に pwd を実行すると、ディレクトリが変わったことを確認できます。

pwd

実行結果:

/home/tomohiro/Documents

一つ上のディレクトリに戻るには cd .. と入力します。ホームディレクトリに戻るには cd だけで実行できます。

4. cat ~ ファイルの中身を表示する

cat(Concatenate)は、ファイルの内容をそのまま画面に表示するコマンドです。
設定ファイルの内容を確認するときに、現場でも毎日のように使います。

# /etc/hostnameファイルの中身を表示する cat /etc/hostname

実行結果:

ubuntu-wsl

注意点として、巨大なファイルに対してcatを実行すると、画面が大量のテキストで埋め尽くされます。大きなファイルの確認には less コマンドや head コマンドを使いましょう。

5. man ~ コマンドの使い方を調べる

man(Manual)は、コマンドの公式マニュアルを表示するコマンドです。
「このコマンド、どんなオプションがあるんだろう?」と思ったときに使います。

# lsコマンドのマニュアルを表示する man ls

マニュアルは英語で表示されますが、上下キーでスクロールし、q キーで終了できます。
すべてを読む必要はありません。「DESCRIPTION」の最初の数行を見るだけでも、コマンドの概要がわかります。

「Linuxは難しい」は思い込み ~ 初心者がつまずく3つの誤解を解く

セミナーで3,100名以上を指導してきた中で、Linux学習を始める前に足踏みしてしまう方には共通する誤解があることに気づきました。
ここではよくある3つの誤解を取り上げます。

誤解1:「Linuxは難しい」

確かに、黒い画面にコマンドを打つ見た目は、最初はとっつきにくく見えます。
しかし、実際に覚えるべきコマンドは数十個程度です。先ほど紹介した5つのコマンドだけでも、ファイルの確認や移動といった基本操作はできてしまいます。

WindowsのExcelやWordを使い始めたときのことを思い出してください。最初は戸惑ったはずですが、毎日触っているうちに自然と使えるようになったのではないでしょうか。Linuxも同じです。

誤解2:「独学で十分」

インターネットには無料の情報があふれています。「わざわざ本やセミナーにお金を使わなくても、ネットで調べれば大丈夫」と考える方もいます。

ただし、断片的な情報をつなぎ合わせて体系的に理解するのは、初心者にはかなり難しい作業です。
「このコマンドは何のために使うのか」「どういう順番で学べば効率的か」という全体像がないまま進めると、途中で挫折しやすくなります。

誤解3:「コマンドは暗記するもの」

Linuxのコマンドは暗記する必要はありません。
現場のエンジニアも、すべてのオプションを覚えているわけではなく、man コマンドや過去のメモを見ながら作業しています。

大切なのは「何がしたいときに、どのコマンドを使えばいいか」を知っていることです。
暗記ではなく「引き出しの場所を覚える」感覚でLinuxと付き合っていきましょう。

関連記事 ~ ここから実践的なスキルを身につける

この記事でLinuxを学ぶメリットと始め方がわかったら、次は実際に手を動かしてスキルを身につけていきましょう。

Linux入門シリーズ
WSL2でLinuxを始める手順
Linuxのディレクトリ構造を初心者向けに解説
AIを活用してLinuxコマンドを効率的に学ぶ方法

実務で使うLinuxスキル 7テーマ
watchコマンドで定期的にコマンドを繰り返し実行する方法(シェルスクリプト)
chmodコマンドで権限を変更する方法(セキュリティ)
Apacheのタイムアウト設定を変更・確認する方法(サーバー構築)
lsofコマンドでプロセスが使用中のファイルを確認する方法(トラブルシューティング)
ipコマンドでネットワーク設定を確認・変更する方法(ネットワーク)
rsyncコマンドでファイルを同期・転送する方法(ファイルシステム)
Linuxでポート番号の状態を確認するコマンド(現場コラム)

まとめ

この記事では、Linuxを学ぶメリットと始め方について解説しました。
要点を以下のテーブルにまとめます。

項目 内容
Linuxとは 無料で使えるOS。サーバーやクラウドの90%以上で採用
学ぶメリット 求人で有利・クラウド必須・無料・AI開発の土台・スキルが長持ち
始め方(おすすめ) WSL2でUbuntuをインストール(コスト0・数分で完了)
最初に覚えるコマンド pwd ls cd cat man
よくある誤解 「難しい」「独学で十分」「暗記が必要」は思い込み

Linuxは、始めるハードルが低いわりに、身につけたスキルが長く使い続けられる技術です。
まずはWSL2でLinux環境を作り、今日紹介した5つのコマンドを実際に打ってみてください。
その一歩が、IT業界で通用するスキルの出発点になります。
現場で通用する安全なLinuxサーバー構築の「型」を体系的に身につけたい方へ、
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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。