「リストをカンマ区切りの1行に変換したい」
テキストデータを縦ではなく「横方向」に結合したい場面では、
pasteコマンドの出番です。この記事では、pasteコマンドの基本的な使い方から、区切り文字の変更、行の1行化、cutとの組み合わせまで、実務で使えるテクニックを解説します。
・paste は複数のファイルを行単位で横に結合するコマンド
・-d で区切り文字、-s で行を1行にまとめる動きに切り替えられる
・cut との組み合わせで、列の入れ替えや再構成が手軽に行える
でも安心してください。プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
pasteコマンドとは?
paste は、複数のファイルを同じ行番号同士で横に結合するコマンドです。結合された出力はデフォルトでタブ区切りになります。pasteの基本的な使い方
1. 2つのファイルを横に結合する
# file1.txtの内容 $ cat file1.txt 111111 222222 333333 # file2.txtの内容 $ cat file2.txt abcdef ghijkl mnopqr # 2つのファイルを横に結合 $ paste file1.txt file2.txt 111111 abcdef 222222 ghijkl 333333 mnopqr
2. -d(区切り文字を変更する)
デフォルトのタブ区切りを、カンマやスペースなど任意の文字に変更できます。# カンマ区切りで結合 $ paste -d ',' file1.txt file2.txt 111111,abcdef 222222,ghijkl 333333,mnopqr # コロン区切りで結合 $ paste -d ':' file1.txt file2.txt 111111:abcdef 222222:ghijkl 333333:mnopqr
3. -s(ファイルごとに1行にまとめる)
-s オプションを使うと、各ファイルの全行を1行にまとめて出力します。# ファイルの全行を1行にまとめる $ paste -s file1.txt 111111 222222 333333 # カンマ区切りでまとめる $ paste -s -d ',' file1.txt 111111,222222,333333
4. 3つ以上のファイルを結合する
# 3つのファイルを結合 $ paste file1.txt file2.txt file3.txt
実務で使えるTips
標準入力との組み合わせ
-(ハイフン)を使うと、標準入力をファイルの代わりに使えます。# lsの出力を3列に並べる $ ls | paste - - - file1.txt file2.txt file3.txt file4.txt file5.txt file6.txt
cutコマンドとの組み合わせ
cut で列を抽出し、paste で再結合する、というパターンはテキスト処理の定番です。# CSVの1列目と3列目だけを抽出して結合 $ cut -d ',' -f 1 data.csv > col1.tmp $ cut -d ',' -f 3 data.csv > col3.tmp $ paste -d ',' col1.tmp col3.tmp
paste と join と cut の使い分け|どのコマンドをいつ使うか
「paste コマンド」で辿り着いた方の多くは、似たような名前の join / cut との違いで止まっている段階だと思います。3つは見た目が似ていますが、役割は全く別物です。
| コマンド | 役割 | 典型ユースケース |
|---|---|---|
paste | 2ファイルを行番号で機械的に横並び結合 | 2列のリストを1つのCSVに統合 |
join | 2ファイルをキー列の一致で結合(SQLのJOIN相当) | ユーザーID別のデータマージ |
cut | 1ファイルから特定の列を抽出 | CSVの3列目だけ取り出す |
# paste:行番号で機械的に結合(キー一致は不要) $ cat name.txt Tanaka Suzuki Sato $ cat score.txt 85 72 91 $ paste name.txt score.txt Tanaka 85 Suzuki 72 Sato 91 # join:キー列で結合(事前にsortが必要) $ cat users.txt 1 Tanaka 2 Suzuki $ cat scores.txt 1 85 2 72 $ join users.txt scores.txt 1 Tanaka 85 2 Suzuki 72 # cut:列を抽出 $ echo "a,b,c,d,e" | cut -d, -f3 c
私もログ突合の作業で paste を使って失敗した経験があります。2ファイルの行数が違うと、片方が先に終わってもう片方の残り行が「空っぽの相手」と結合されて変な出力になります。「ユーザーIDに紐づくデータを突き合わせる」のは paste ではなく join の仕事です。
よくある質問(FAQ)
paste で結合するファイルの行数が違うとどうなりますか?
短い方のファイルが先に終わり、残りの行は「空っぽの相手」と結合されます。例えば3行のファイルAと5行のファイルBを paste A B すると、後半2行はタブの後に B の行だけが出ます。行数を揃えたいなら、事前に wc -l で両者の行数を確認し、不足分を空行で埋めるか、join でキー一致結合に切り替えるのが安全です。
CSVファイルを作るのに paste を使えますか?
使えます。paste -d, name.txt mail.txt > users.csv でカンマ区切りCSVが1コマンドで生成できます。デフォルトはタブ区切りなので、-d で区切り文字を指定するだけです。日本語データを含む場合は事前に nkf -w 等でUTF-8 化しておくと文字化けを防げます。
paste -s と paste の違いは?
paste(オプションなし)は2つのファイルを横並び、paste -s は1ファイル内の全行を1行にまとめる動作です。例えば3行のファイルに paste -s -d, を実行すると 行1,行2,行3 という1行になります。リストをカンマ区切りに変換する典型パターンとして覚えておくと便利です。
本記事のまとめ
| やりたいこと | コマンド |
|---|---|
| ファイルを横に結合(タブ区切り) | paste file1.txt file2.txt |
| カンマ区切りで結合 | paste -d ',' file1.txt file2.txt |
| 全行を1行にまとめる | paste -s file1.txt |
| リストをカンマ区切り1行に変換 | paste -s -d ',' file1.txt |
| 出力を3列に並べる | ls | paste - - - |
テキスト処理の引き出しを増やしたい方へ
paste は地味ですが、CSV加工やデータ整形で確実に役立つ基本コマンドです。
ネットの切れ端の情報をコピペするだけでなく、現場で通用する安全なLinuxサーバー構築の「型」を体系的に身につけたい方へ、『Linuxサーバー構築入門マニュアル(図解60P)』を完全無料でプレゼントしています。
「独学の時間がもったいない」「プロから直接、現場の技術を最短で学びたい」という本気の方には、2日で実務レベルのスキルが身につく【初心者向けハンズオンセミナー】も開催しています。
3,100名以上が実践した「型」を無料で公開中
プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
その「型」を図解60Pにまとめた入門マニュアルを、完全無料でプレゼントしています。
登録10秒/合わなければ解除3秒 / 詳細はこちら
- 次のページへ:expandコマンドでタブをスペースに変換する方法|桁揃えやunexpandとの使い分けも
- 前のページへ:cutコマンドの使い方|区切り文字でフィールドを抽出する方法
- この記事の属するカテゴリ:Linuxコマンド・LinuxコマンドP-T・テキスト処理コマンドへ戻る

無料メルマガで学習を続ける
Linuxの実践スキルをメールで毎週お届け。
登録は1分、解除もいつでも可。
登録無料・いつでも解除できます