CentOS7でSELinuxを無効化する方法|getenforce・setenforce・config設定まで

宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
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「Apacheを起動したのに接続できない」「ファイルを作成したのに権限エラーが出る」——こういったトラブルの原因がSELinuxだったというケースは、Linuxサーバー管理者なら一度は経験しているはずです。

SELinuxはサーバーのセキュリティを強化する重要な機能ですが、設定が複雑なため、開発環境や検証環境では一時的に無効化したい場面もあります。

この記事では、SELinuxの現在の状態を確認する方法と、一時的・恒久的に無効化する手順を、CentOS7とRHEL9/Rocky Linux9の両方に対応して解説します。

【この記事でわかること】

getenforce コマンドで現在のSELinuxの動作モードを確認できる
・一時的な無効化は setenforce 0(再起動すると元に戻る)
・恒久的な無効化は /etc/selinux/config の SELINUX=disabled に変更して再起動
・本番サーバーでの無効化は推奨しない。Permissiveモードで影響調査してから判断する


【この記事でわかること】
・SELinuxの動作状態をgetenforceコマンドで確認する方法
・setenforceコマンドで一時的にSELinuxを無効化・許可モードに変更する方法
・/etc/selinux/configファイルを編集して恒久的に無効化する方法
・SELinuxが原因の権限エラーをaudit2allowやsealertで調査するヒント
・無効化前に知っておくべきSELinuxのセキュリティ上の注意点

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SELinuxとは何か

SELinux(Security-Enhanced Linux)は、アメリカ国家安全保障局(NSA)が開発したLinuxのセキュリティ機能です。

通常のLinuxでは、root権限を奪取されると攻撃者はシステム全体を自由に操作できます。SELinuxはこの問題に対処するため、rootを含むすべてのユーザーやプロセスの権限を細かく制限します。

具体的には、Apacheが読めるディレクトリ、MySQLが書き込めるファイルといった「プロセスごとのアクセス制限」をカーネルレベルで強制します。これにより、万が一Apacheが攻撃者に乗っ取られても、システム全体への被害を限定的に抑えられます。

ただし、この細かなアクセス制御が「設定していないサービスが動かない」というトラブルの原因にもなります。開発・検証環境や、SELinuxの恩恵よりも管理の簡便さを優先する場面では、無効化を選択することも現実的な判断です。

SELinuxの動作モードを確認する

まずは現在のSELinuxの状態を確認します。

1. getenforceコマンドで動作モードを確認する

getenforce コマンドで現在のSELinuxの動作モードを確認できます。

# getenforce Enforcing

表示される値の意味は以下の通りです。

Enforcing:有効状態。SELinuxのポリシーが強制適用されている
Permissive:ポリシー違反を許可するが、監査ログに記録する。動作確認・トラブルシュートに使う
Disabled:完全に無効化された状態

2. sestatusコマンドで詳細を確認する

より詳細な情報を確認するには sestatus コマンドを使います。

# sestatus SELinux status: enabled SELinuxfs mount: /sys/fs/selinux SELinux root directory: /etc/selinux Loaded policy name: targeted Current mode: enforcing Mode from config file: enforcing Policy MLS status: enabled Policy deny_unknown status: allowed Max kernel policy version: 33

注目すべき項目は以下の2つです。

Current mode:現在の動作モード(setenforceで変更した値が反映される)
Mode from config file:/etc/selinux/configに記載されている設定値(再起動後に適用される)

この2つが異なる場合は、一時的に変更されている状態です。

SELinuxを一時的に無効化する

setenforce コマンドを使うと、再起動するまでの間だけSELinuxの動作モードを変更できます。

※設定ファイル(/etc/selinux/config)は変更されないため、再起動後は元の設定に戻ります。

1. EnforcingからPermissiveに変更する

SELinuxを「ログ記録のみ・制限なし」の状態にします。

# setenforce 0 # getenforce Permissive

2. PermissiveからEnforcingに戻す

# setenforce 1 # getenforce Enforcing

注意: setenforce で「Disabled」(完全無効)にすることはできません。Disabledにするには /etc/selinux/config の変更と再起動が必要です。

SELinuxを恒久的に無効化する

再起動後も無効化を維持するには、設定ファイル /etc/selinux/config を編集します。

1. /etc/selinux/configを編集する

# vi /etc/selinux/config

ファイルを開くと、以下のような記述があります。

# This file controls the state of SELinux on the system. # SELINUX= can take one of these three values: # enforcing - SELinux security policy is enforced. # permissive - SELinux prints warnings instead of enforcing. # disabled - No SELinux policy is loaded. SELINUX=enforcing # SELINUXTYPE= can take one of these three values: # targeted - Targeted processes are protected, # minimum - Modification of targeted policy. # mls - Multi Level Security protection. SELINUXTYPE=targeted

SELINUX=enforcing の行を SELINUX=disabled に変更します。

# 変更前 SELINUX=enforcing # 変更後 SELINUX=disabled

変更したら :wq で保存・終了します。

2. システムを再起動する

# shutdown -r now

3. 再起動後に状態を確認する

# getenforce Disabled # sestatus SELinux status: disabled

Disabled と表示されれば、SELinuxの無効化は完了です。

Permissiveモードで動作確認してから無効化する(推奨手順)

本番サーバーでSELinuxを無効化する前に、まずPermissiveモードで動作確認を行うことを強くお勧めします。

Permissiveモードでは、SELinuxのポリシー違反をログに記録しながらも、アクセスは許可します。これにより「どのポリシーが引っかかっているか」を調べてから対処できます。

1. Permissiveモードに変更してサービスを動かす

# setenforce 0 # systemctl start httpd

2. auditログでSELinuxの拒否を確認する

# grep "denied" /var/log/audit/audit.log | tail -20 type=AVC msg=audit(1711234567.890:1234): avc: denied { read } for pid=12345 comm="httpd" name="index.php" dev="sda1" ino=78901 scontext=system_u:system_r:httpd_t:s0 tcontext=unconfined_u:object_r:user_home_t:s0 tclass=file permissive=1

denied の行があれば、SELinuxが制限しようとしていた操作が確認できます。

3. audit2allowでポリシーを確認する(参考)

拒否されている操作に対して、どんなポリシーを追加すれば解決できるかを確認できます。

# grep "denied" /var/log/audit/audit.log | audit2allow

ポリシーを追加できる場合はSELinuxを有効なまま運用できます。開発環境ならPermissiveのまま、本番環境ならポリシー追加での解決が理想です。

トラブルシュート

「setenforce: SELinux is disabled」と表示される

すでに /etc/selinux/config で SELINUX=disabled が設定されており、カーネル起動時からSELinuxが無効化されています。setenforce コマンドは無効化済みの状態では使えません。

設定変更後に再起動したら自動ラベル付けで起動が遅くなった

DisabledからEnforcingに戻した場合、システムはファイルシステム全体へのSELinuxラベル付け(autorelabel)を行うため、起動に時間がかかることがあります。/.autorelabel ファイルが作成されている場合は処理中です。

無効化後にApacheやNginxが起動しない

SELinuxが原因でなく、別の設定ミスや依存サービスの問題の可能性があります。journalctl -u httpdsystemctl status httpd でエラー内容を確認してください。

本記事のまとめ

やりたいこと コマンド・手順
現在のモードを確認する getenforce
詳細な状態を確認する sestatus
一時的にPermissiveにする setenforce 0
一時的にEnforcingに戻す setenforce 1
恒久的に無効化する /etc/selinux/config で SELINUX=disabled に変更し再起動
SELinuxの拒否ログを確認する grep "denied" /var/log/audit/audit.log

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SELinuxはApacheやNFSなど多くのサービスで権限エラーの原因になります。原因の切り分けと対処法を体系的に理解することが重要です。
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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。