Linuxのネットワーク確認入門|ipコマンドとpingで接続状態を調べる方法

宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
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「サーバーにSSH接続できない」「インターネットに繋がらない」「設定したはずのIPアドレスが反映されていない」
Linuxを使い始めると、こうしたネットワーク絡みのトラブルに必ずぶつかります。

でも、焦る必要はありません。Linuxのネットワーク確認は、たった2つのコマンドを覚えるだけで大半の問題に対応できます。

この記事では、初心者が最初に覚えるべき ip コマンド(IPアドレス確認・設定表示)と ping コマンド(通信疎通確認)の使い方を、Windowsとの比較も交えながら丁寧に解説します。「コマンドは難しそう」と感じている方も、この記事を読み終えたら自信を持ってターミナルを開けるはずです。

この記事のポイント

・ip addr show でIPアドレスを確認、ip route show でデフォルトゲートウェイを確認できる
・ping コマンドで相手との通信疎通を1ステップで確認できる
・Windows の ipconfig / ping と対応関係を理解すれば迷わない
・ネットワーク障害の切り分けは「自分→ゲートウェイ→DNSサーバー」の順番が鉄則


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Linuxのネットワーク確認が必要な場面

Windowsではコントロールパネルや設定アプリで「ネットワーク状態」をGUIで確認できます。一方Linuxのサーバー環境では、GUI(グラフィカルな画面)がないことがほとんどです。

ターミナルだけで状況を把握しなければならない場面を、いくつか挙げてみます。

・サーバーにSSHで接続できない
・Webサーバーを立てたが外部から見えない
・設定したIPアドレスが反映されているか確認したい
・特定のサーバーまで通信が届いているか確かめたい

こういった状況で真っ先に使うのが、今回紹介する ip コマンドと ping コマンドです。

WindowsのipconfigとLinuxのipコマンドの対応

Windows使いの方は、まずこの対応表を確認してください。概念はまったく同じです。
やりたいこと Windows Linux
IPアドレスの確認 ipconfig ip addr show
デフォルトゲートウェイの確認 ipconfig ip route show
通信疎通の確認 ping 宛先IP ping 宛先IP
NICの一覧確認 ipconfig /all ip link show
Linuxでは以前 ifconfig というコマンドが使われていましたが、現在は ip コマンドが標準です。RHEL 9 / Ubuntu 22.04以降の環境では ip コマンドを使う習慣をつけてください。

ip addr show でIPアドレスを確認する

1. コマンドを実行する

ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してEnterを押します。

# NICとIPアドレスの一覧を表示する ip addr show

短縮形として ip aip addr でも同じ結果が得られます。

2. 出力結果の読み方

実際のサーバーでは、次のような出力が表示されます。

1: lo: mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 inet 127.0.0.1/8 scope host lo valid_lft forever preferred_lft forever 2: eth0: mtu 1500 qdisc fq_codel state UP link/ether 08:00:27:xx:xx:xx brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 192.168.1.100/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic eth0 valid_lft 85100sec preferred_lft 85100sec

注目すべきポイントは3つです。

lo(ループバック): 127.0.0.1 は自分自身を指す特殊なアドレスです。無視して構いません
eth0(イーサネット): 実際に外部と通信するNIC(ネットワークカード)の情報です
inet 192.168.1.100/24: inet の後ろがIPアドレス、/24 がサブネットマスク(255.255.255.0に相当)です

VPS環境では NIC名が ens3enp0s3 になることもありますが、読み方は同じです。

3. 特定のNICだけ表示する

# eth0だけを表示する ip addr show eth0

複数のNICが付いているサーバーで、確認したいNICを絞り込む際に使います。

ip route show でデフォルトゲートウェイを確認する

IPアドレスが設定されていても、ゲートウェイ(インターネットへの出口)が設定されていないと外部と通信できません。

# ルーティングテーブルを表示する ip route show

出力例は次の通りです。

default via 192.168.1.1 dev eth0 proto dhcp metric 100 192.168.1.0/24 dev eth0 proto kernel scope link src 192.168.1.100 metric 100

default via 192.168.1.1 がデフォルトゲートウェイです。ルーター(Wi-Fiルーターや仮想ルーター)のIPアドレスがここに表示されます。

この行が存在しない場合、サーバーはインターネットに到達できない状態です。DHCPが正常に機能しているか、または静的ルート設定を見直す必要があります。

pingコマンドで通信疎通を確認する

ping は「相手まで通信が届くか」を確認する最も基本的なコマンドです。Windows の ping と動作はほぼ同じですが、1点だけ違いがあります。

LinuxのpingはCtrl+Cで止めるまで無制限に送り続けます。(Windowsは4回で自動終了)

1. 基本の使い方

# 宛先IPアドレスへpingを送信する(Ctrl+Cで停止) ping 192.168.1.1 # または回数を指定して自動終了させる(-c 4 は4回送信して終了) ping -c 4 192.168.1.1

実行結果の例です。

PING 192.168.1.1 (192.168.1.1) 56(84) bytes of data. 64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=1 ttl=64 time=1.23 ms 64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=2 ttl=64 time=0.98 ms 64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=3 ttl=64 time=1.05 ms 64 bytes from 192.168.1.1: icmp_seq=4 ttl=64 time=1.11 ms --- 192.168.1.1 ping statistics --- 4 packets transmitted, 4 received, 0% packet loss, time 3003ms rtt min/avg/max/mdev = 0.98/1.09/1.23/0.10 ms

0% packet loss: 通信が正常に届いている証拠です
time=1.23 ms: 往復にかかった時間(レイテンシ)。数字が小さいほど良い状態です
Request timeout / 100% packet loss: 通信が届いていません。経路かファイアウォールを確認してください

2. ドメイン名でpingを送ってDNS解決も確認する

# ドメイン名で指定することでDNS名前解決も同時に確認できる ping -c 4 google.com

この方法で「IPアドレスへのpingは通る」が「ドメインへのpingが通らない」場合は、DNS設定に問題があると判断できます。

ネットワーク障害の切り分け手順

「つながらない」と感じたとき、次の順番でpingを打つと問題箇所を素早く特定できます。

1. ループバックアドレスに送信する(自分自身の確認)

# TCP/IPスタック自体が正常かを確認する ping -c 2 127.0.0.1

ここで失敗する場合は、OSのネットワーク機能自体に問題があります。

2. デフォルトゲートウェイに送信する(ルーターまでの確認)

# ip route show で確認したゲートウェイIPアドレスを指定 ping -c 4 192.168.1.1

ゲートウェイへのpingが失敗する場合は、ローカルネットワーク(LAN)内に問題があります。IPアドレスやNICの設定を見直してください。

3. 外部DNSサーバーに送信する(インターネット接続の確認)

# Google Public DNS (8.8.8.8) へのpingでインターネット疎通を確認 ping -c 4 8.8.8.8

ゲートウェイへのpingは通るが 8.8.8.8 に届かない場合は、ルーターより上流(インターネット側)に問題があります。

4. ドメイン名で送信する(DNS解決の確認)

# ドメイン名解決ができているか確認する ping -c 4 google.com

8.8.8.8 へのpingは通るがドメイン名で失敗する場合は、DNS設定(/etc/resolv.confnmcli の設定)に問題があります。

よくあるエラーと対処法

「connect: Network is unreachable」が出たとき

ルーティングテーブルにデフォルトゲートウェイが存在しない状態です。

# 現在のルーティングテーブルを確認する ip route show # 一時的にデフォルトゲートウェイを追加する(再起動で消える) ip route add default via 192.168.1.1 dev eth0

恒久的な設定変更は nmcli または /etc/sysconfig/network-scripts/ (RHEL系)で行います。

「Destination Host Unreachable」が出たとき

ARP解決が失敗している、つまり「宛先IPアドレスに対応するMACアドレスが見つからない」状態です。IPアドレスの範囲が正しいか(サブネットマスクの設定ミスがないか)を確認してください。

「ping: xxx.xxx.xxx.xxx: Name or service not known」が出たとき

DNS名前解決に失敗しています。/etc/resolv.conf にDNSサーバーのIPアドレスが正しく設定されているか確認します。

# DNSサーバーの設定を確認する cat /etc/resolv.conf

本記事のまとめ

LinuxのネットワークをコマンドラインでトラブルシュートするためのIPアドレス確認とpingの基本をまとめます。
やりたいこと コマンド
IPアドレスを確認する ip addr show
デフォルトゲートウェイを確認する ip route show
N回だけpingを送信する ping -c N 宛先IP
DNS名前解決も含めて確認する ping -c 4 ドメイン名
NIC一覧を表示する ip link show
ネットワーク障害の切り分けは「ループバック → ゲートウェイ → 外部IP → ドメイン名」の順番で行うのが鉄則です。この手順を身につけるだけで、現場でのトラブル対応速度が大きく変わります。

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。