Linuxのエイリアス設定入門|よく使うコマンドを短縮して作業効率を上げる方法

宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
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「毎回 ls -la って打つのが面倒くさい。もっと短くできないの?」
「Linuxのコマンドって長くて覚えるのが大変。初心者でもカスタマイズできる?」

こうした悩みは、Linuxを始めてしばらくすると必ず出てきます。コマンドを手で打つ頻度が増えるにつれ、「もう少し楽にならないか」と感じるのは自然なことです。

この記事では、alias(エイリアス) を使ってコマンドを短縮・カスタマイズする方法を解説します。
設定方法の基本から、よく使われる定番エイリアスの紹介、永続化の手順、そしてトラブルへの対処法まで、初心者がひとりで完結できる内容にまとめました。

実行環境: Ubuntu 24.04 LTS(WSL2)・Rocky Linux 9.4 で動作確認済み

この記事のポイント

・alias コマンドで長いコマンドを短縮できる
・~/.bashrc に書くことで再起動後も設定が残る
・unalias でいつでも削除できるので失敗しても安心
・定番の alias 設定を真似するだけで即日快適になる


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エイリアスとは何か?

alias(エイリアス)とは、「長いコマンドや複雑なオプションの組み合わせ」に対して、短い別名をつける仕組みです。

たとえば、毎回 ls -la --color=auto と打つのは面倒です。でも alias に ll という名前を割り当てておけば、次からは ll と打つだけで同じ動作になります。

Windowsのショートカットに近いイメージですが、コマンドライン上で動作する点が違います。

alias コマンドの基本的な使い方

1. エイリアスを設定する

alias コマンドの基本構文は以下のとおりです。

alias エイリアス名='実際のコマンド'

具体的な例を見てみましょう。

# ls -la を ll で打てるようにする alias ll='ls -la --color=auto' # 一つ上のディレクトリへ移動する cd .. を .. で打てるようにする alias ..='cd ..' # 現在地をわかりやすく表示する alias where='pwd'

設定したエイリアスを試してみましょう。

[user@server ~]$ alias ll='ls -la --color=auto' [user@server ~]$ ll 合計 36 drwxr-x--- 4 user user 4096 5月 10 08:23 . drwxr-xr-x 3 root root 4096 4月 30 14:11 .. -rw------- 1 user user 512 5月 9 22:10 .bash_history -rw-r--r-- 1 user user 220 4月 30 14:11 .bash_logout -rw-r--r-- 1 user user 3526 4月 30 14:11 .bashrc drwxr-xr-x 2 user user 4096 5月 1 09:00 projects

ファイルやディレクトリが色分けで表示され、一覧の見やすさが大幅に上がります。

2. 設定済みのエイリアス一覧を確認する

現在どんなエイリアスが設定されているかを確認するには、引数なしで alias と打ちます。

[user@server ~]$ alias alias ..='cd ..' alias ll='ls -la --color=auto' alias where='pwd'

特定のエイリアスだけを確認したい場合は、エイリアス名を引数に指定します。

[user@server ~]$ alias ll alias ll='ls -la --color=auto'

3. エイリアスを削除する

設定したエイリアスを削除するには unalias コマンドを使います。失敗しても簡単に消せるので、気軽に試せます。

# 特定のエイリアスを削除する unalias ll # すべてのエイリアスを削除する(-a オプション) unalias -a

ただし、ここで削除してもターミナルを開き直すと .bashrc の設定が再び読み込まれます。
恒久的に削除したいなら、後述する ~/.bashrc の中の記述も削除してください。

エイリアスを永続化する(~/.bashrc に書く)

ここまでの設定は「現在開いているターミナルの中だけで有効」です。
ターミナルを閉じると消えてしまうため、再起動後も使い続けたい設定は ~/.bashrc に書き込む必要があります。

1. ~/.bashrc に追記する

# nano でファイルを開く(vi が苦手な方はこちら) nano ~/.bashrc # または vi で開く vi ~/.bashrc

ファイルの末尾に以下のように追記します。

# --- ユーザー定義エイリアス --- alias ll='ls -la --color=auto' alias la='ls -A --color=auto' alias ..='cd ..' alias ...='cd ../..' alias grep='grep --color=auto' alias df='df -h' alias du='du -h'

コメント行(# から始まる行)は無視されるので、何を設定したか分かるようにメモを残すと管理しやすくなります。

2. 変更を即座に反映させる

~/.bashrc を保存しただけでは反映されません。以下のいずれかで読み込み直しましょう。

# 方法1:source コマンドで即時反映(もっとも手軽) source ~/.bashrc # 方法2:. コマンド(source の省略形) . ~/.bashrc

反映後にもう一度 alias と打つと、追加したエイリアスが一覧に現れるはずです。

初心者に定番のエイリアス設定 7選

実際にLinux初心者がよく設定するエイリアスを紹介します。自分の用途に合わせて組み合わせてみてください。

目的 エイリアス設定
ファイル一覧を見やすく表示 alias ll='ls -la --color=auto'
隠しファイルだけ一覧表示 alias la='ls -A --color=auto'
一つ上のディレクトリへ移動 alias ..='cd ..'
grep で検索結果をカラー表示 alias grep='grep --color=auto'
ディスク使用量を人が読みやすい単位で表示 alias df='df -h'
ファイルサイズを人が読みやすい単位で表示 alias du='du -h'
rm に確認プロンプトをつけて誤削除防止 alias rm='rm -i'
特に alias rm='rm -i' は初心者に強くおすすめです。rm は確認なしにファイルを削除するため、ミスによる取り返しのつかない事故が起きやすいコマンドです。-i をつけることで削除の前に確認を求めるようになります。

応用・実務Tips

長いコマンドオプションをまとめる

複数のオプションをまとめてエイリアスにすると、特にサーバー管理で便利です。

# サービスのステータス確認を短縮 alias sst='systemctl status' # サービスの起動・停止 alias sstart='systemctl start' alias sstop='systemctl stop' # journalctl のログを追いかける alias jf='journalctl -f'

# 使用例 [user@server ~]$ sst nginx * nginx.service - The nginx HTTP and reverse proxy server Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/nginx.service; enabled; preset: disabled) Active: active (running) since Sat 2026-05-10 08:00:12 JST; 2h 23min ago

エイリアスの中でエイリアスを使わない

alias の右辺の中で別の alias を参照することはできません。

# NG例:alias の中で ll を使おうとすると動かない alias showfiles='ll /var/log' # OK例:実際のコマンドを書く alias showfiles='ls -la /var/log'

関数と alias の使い分け

引数を受け取る処理は alias では対応できません。そういった場合は シェル関数 を使います。

# 引数なし → alias で書ける alias ll='ls -la --color=auto' # 引数あり → 関数で書く mkcd() { mkdir -p "$1" && cd "$1" }

mkcd projects/myapp のように打てば、ディレクトリを作りながら移動できます。関数も ~/.bashrc に書けば永続化できます。

トラブルシュート・よくある問題への対処

「設定したはずなのに alias が使えない」

最もよくあるミスは、source ~/.bashrc を忘れていることです。

# ~/.bashrc を編集したあとは必ず反映させる source ~/.bashrc # 反映されているか確認する alias

「既存のコマンドと名前が衝突している」

lscd など既存のコマンドと同じ名前の alias を設定すると、元のコマンドが使えなくなります。
本来の機能を使いたい場合はコマンド名の前にバックスラッシュ \ を付けます。

# alias ls='ls --color=auto' が設定されているとき、 # 元の ls コマンドを直接実行するには \ls を使う [user@server ~]$ \ls Documents Downloads projects

「alias rm='rm -i' で逆に面倒になってきた」

慣れてきたら -i を外すか、スクリプト内では元の /bin/rm を明示的に指定する運用に切り替えましょう。

# スクリプト内で alias を無視して本来の rm を呼ぶ /bin/rm -f /tmp/tmpfile.txt # または \rm で alias をスキップ \rm -f /tmp/tmpfile.txt

本記事のまとめ

alias を覚えると、ターミナルとの対話が格段にスムーズになります。最初は真似でかまいません。定番の設定を ~/.bashrc に書いて使い始め、「もっとこうしたい」という感覚が出てきたら少しずつカスタマイズしていきましょう。
やりたいこと コマンド
エイリアスを設定する alias エイリアス名='コマンド'
設定済みのエイリアスを確認する alias
エイリアスを削除する unalias エイリアス名
全エイリアスを削除する unalias -a
永続化する(設定を残す) ~/.bashrc に書いて source ~/.bashrc
alias をスキップして元コマンドを使う \コマンド名 または /フルパス/コマンド名

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。