MariaDBはMySQL互換の設計を持つため、バージョン確認コマンドもMySQLとほぼ共通ですが、出力に「MariaDB」という文字列が付く点や、ステータス変数の種類が微妙に異なる点を把握しておく必要があります。
この記事では、Rocky Linux 9.4 / Ubuntu 22.04 LTSで動作確認した7つのMariaDBバージョン確認方法を、実際のコマンド出力付きで解説します。ログイン不要のコマンドラインから確認する方法、SQLクライアントから確認する方法、パッケージ管理コマンドから確認する方法まで網羅しています。
この記事のポイント
・mysql -V はサービス停止中でもMariaDBバージョンを即確認できる
・mysqladmin version はバージョン+サーバー稼働時間も同時に取得できる
・SHOW VARIABLES LIKE 'version%'; でSSLライブラリ等のコンパイル詳細も確認できる
・rpm -q または dpkg -l でOSパッケージ管理側のバージョンも確認できる
でも安心してください。プロのエンジニアはコマンドを暗記していません。
「現場で使える型」を効率よく使いこなしているだけです。
MariaDBのバージョン確認が必要になる場面
MariaDBをLinuxサーバーで運用していると、バージョン確認が必要になる場面は意外に多くあります。・セキュリティパッチ適用の判断:CVEの影響バージョンと自環境を照合する
・アップデート前後の記録:バージョンが正しく変わったか確認する
・トラブルシュートの第一歩:バグ報告・質問時に環境情報として必要
・レプリケーション構成:プライマリとレプリカのバージョンが揃っているか確認する
・互換性の確認:アプリケーション側のMariaDB対応バージョンと照合する
いずれの場面でも「どのコマンドを使えば信頼できる情報が取れるか」を事前に把握しておくと、作業がスムーズになります。
コマンドラインでMariaDBバージョンを確認する3つの方法
1. mysql -V(サービス停止中でも使える最速確認)
最もシンプルな確認方法です。MariaDBクライアントパッケージのバージョンを1行で表示します。$ mysql -V mysql Ver 15.1 Distrib 10.11.8-MariaDB, for Linux (x86_64) using EditLine wrapper
Distrib の後の数値(ここでは 10.11.8-MariaDB)がMariaDBの実際のバージョンです。オプションは大文字の -V です。小文字の -v では詳細モードになりバージョンは表示されません。このコマンドはクライアントパッケージのバージョンを返します。サーバーへの接続は不要なため、MariaDBサービスが停止していても確認できます。
2. mysqladmin version(サーバー稼働状態も同時確認)
MariaDBサーバーへ接続してバージョン情報を取得するコマンドです。サーバーが起動していることが前提です。$ mysqladmin version mysqladmin Ver 9.1 Distrib 10.11.8-MariaDB, for Linux (x86_64) Copyright (c) 2000, 2018, Oracle, MariaDB Corporation Ab and others. Server version 10.11.8-MariaDB Protocol version 10 Connection Localhost via UNIX socket UNIX socket /var/lib/mysql/mysql.sock Uptime: 2 days 14 hours 33 min 27 sec Threads: 2 Questions: 12847 Slow queries: 0 Opens: 23 Open tables: 16 Queries per minute avg: 0.053
Server version の行がサーバー側のバージョンです。Uptime でサービス稼働時間、Threads で現在の接続スレッド数も確認できます。パスワード認証を設定済みの環境では以下のように認証情報を指定します。
$ mysqladmin -u root -p version Enter password:
3. SELECT VERSION()(SQLクライアント接続中に確認)
MariaDBクライアント(mysql コマンド)でサーバーに接続した状態で実行します。SQL標準の関数なので、どのMariaDBバージョンでも利用できます。$ mysql -u root -p Enter password: Welcome to the MariaDB monitor. Commands end with ; or \g. Your MariaDB connection id is 5 MariaDB [(none)]> SELECT VERSION(); +-------------------+ | VERSION() | +-------------------+ | 10.11.8-MariaDB | +-------------------+ 1 row in set (0.001 sec)
-MariaDB が付きます。MySQLと混在する環境で「今どちらに接続しているか」を確認する用途にも使えます。ステータス変数でMariaDBの詳細バージョン情報を取得する
4. SHOW VARIABLES LIKE 'version%';(コンパイル設定・SSL情報まで確認)
MariaDBのバージョン関連システム変数をまとめて確認するSQLです。公式リポジトリのバイナリかOSデフォルトパッケージかの判別や、SSLライブラリのバージョンまで一覧で取得できます。MariaDB [(none)]> SHOW VARIABLES LIKE 'version%'; +----------------------------+----------------------------------+ | Variable_name | Value | +----------------------------+----------------------------------+ | version | 10.11.8-MariaDB | | version_comment | mariadb.org binary distribution | | version_compile_machine | x86_64 | | version_compile_os | Linux | | version_malloc_library | system | | version_source_revision | 9a46ee1e9ce | | version_ssl_library | OpenSSL 3.0.7 1 Nov 2022 | | version_zlib_version | 1.2.13 | +----------------------------+----------------------------------+ 8 rows in set (0.001 sec)
・version:MariaDBサーバーのバージョン番号
・version_comment:バイナリの配布元(
mariadb.org binary distribution は公式リポジトリ、MySQL Community Server に近い表記の場合はOSパッケージ)・version_compile_machine:コンパイル時のCPUアーキテクチャ(x86_64 / aarch64)
・version_ssl_library:SSL接続に使用しているOpenSSLのバージョン
version_comment を確認すると「公式MariaDBリポジトリからインストールされたバイナリか」「OSのデフォルトパッケージか」が分かります。アップデート手順がどちらかで変わるため、運用前に確認しておきましょう。パッケージ管理コマンドでMariaDBバージョンを確認する
MariaDBサービスが停止していてもOSのパッケージ情報からバージョンを確認できます。インストール直後や起動前の確認に役立ちます。5. rpm -q(RHEL/Rocky Linux/AlmaLinux系)
# OSデフォルトパッケージの場合(パッケージ名: mariadb-server) $ rpm -q mariadb-server mariadb-server-10.5.22-1.el9.x86_64 # MariaDB公式リポジトリからインストールした場合(パッケージ名: MariaDB-server) $ rpm -q MariaDB-server MariaDB-server-10.11.8-1.el9.x86_64
rpm コマンドの詳しい使い方はrpm コマンドの使い方も参照してください。6. dpkg -l(Debian/Ubuntu系)
$ dpkg -l mariadb-server Desired=Unknown/Install/Remove/Purge/Hold | Status=Not/Inst/Conf-files/Unpacked/halted-config/Half-inst/trig-aWait/Trig-pend |/ Err?=(none)/Reinst-required (Status,Err: uppercase=bad) ||/ Name Version Architecture Description +++-===============-==========================-============-=========================== ii mariadb-server 1:10.11.8+maria~ubu2204 amd64 MariaDB database server
Version 列の 1:10.11.8+maria~ubu2204 のうち 10.11.8 がMariaDBのバージョンです。先頭の 1: はDebianのエポック(パッケージ管理用の接頭辞)で、MariaDB自体のバージョンではありません。インストール済みバージョンとリポジトリの最新版を同時に確認したい場合は
apt-cache policy mariadb-server が便利です。$ apt-cache policy mariadb-server mariadb-server: Installed: 1:10.11.8+maria~ubu2204 Candidate: 1:10.11.8+maria~ubu2204 Version table: *** 1:10.11.8+maria~ubu2204 500 500 https://downloads.mariadb.com/MariaDB/mariadb-10.11/repo/ubuntu jammy/main amd64 Packages 100 /var/lib/dpkg/status
Installed と Candidate が同じであれば、現時点で利用可能な最新版が入っています。systemctl statusでサービス状態とバージョンを同時確認する
MariaDB 10.1以降ではsystemctl status mariadb の出力の1行目にバージョン番号が含まれます。バージョン確認とサービス状態の確認を1コマンドで済ませたい場合に便利です。$ systemctl status mariadb * mariadb.service - MariaDB 10.11.8 database server Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/mariadb.service; enabled; preset: disabled) Active: active (running) since Mon 2026-09-28 09:15:32 JST; 2 days ago Docs: man:mariadbd(8) https://mariadb.com/kb/en/library/systemd/ Main PID: 1234 (mariadbd) Status: "Taking your SQL requests now..." Tasks: 21 (limit: 22838) Memory: 87.3M CPU: 1min 23.183s CGroup: /system.slice/mariadb.service └─1234 /usr/sbin/mariadbd --basedir=/usr
mariadb.service - MariaDB 10.11.8 database server の行でバージョンと稼働状況が一目で分かります。Active: active (running) でサービスが正常稼働中であることも確認できます。トラブルシュート|バージョン確認コマンドが動かないケース
「mysql: command not found」が出る場合
クライアントパッケージがインストールされていないか、PATHが通っていません。# RHEL/Rocky Linux系でパッケージを確認 $ rpm -qa | grep -i mariadb # Debian/Ubuntu系でパッケージを確認 $ dpkg -l | grep -i mariadb # インストール先を確認 $ which mysql || find /usr -name 'mysql' -type f
rpm -qa | grep -i mariadb または dpkg -l | grep -i mariadb で何も返ってこない場合は、MariaDBがインストールされていない可能性があります。「ERROR 2002 (HY000): Can't connect to local MySQL server」が出る場合
MariaDBサービスが停止しているか、ソケットファイルが存在しません。mysqladmin version と SELECT VERSION() はサービスが起動していないと使えません。mysql -V とパッケージコマンドによるバージョン確認は引き続き可能です。# サービスの状態確認 $ systemctl status mariadb # 停止していれば起動 $ sudo systemctl start mariadb
クライアントとサーバーのバージョンが異なる場合
mysql -V で表示されるのはクライアントのバージョンです。mysqladmin version の Server version 行と異なる場合、クライアントとサーバーのパッケージが別々のバージョンでインストールされています。通常はバージョンを揃えて運用することを推奨します。本記事のまとめ
MariaDBのバージョン確認方法を用途別にまとめます。| 用途 | コマンド |
|---|---|
| サービス停止中でも即確認 | mysql -V |
| サーバー側バージョン+稼働状態を確認 | mysqladmin version |
| SQL接続中に確認 | SELECT VERSION(); |
| SSL・コンパイル情報など詳細を確認 | SHOW VARIABLES LIKE 'version%'; |
| RHEL/Rocky Linux系でパッケージ確認 | rpm -q mariadb-server |
| Debian/Ubuntu系でパッケージ確認 | dpkg -l mariadb-server |
| サービス状態と同時確認 | systemctl status mariadb |
mysql -V と mysqladmin version の2本で十分です。アップデート前後や障害対応時は、パッケージコマンドと SHOW VARIABLES を組み合わせて詳細情報も記録しておきましょう。LinuxサーバーでのMariaDB/MySQL運用を体系的に学びたい方には、Linux Master Pro Seminar のハンズオン形式のトレーニングがおすすめです。
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