いつもありがとうございます。
「Linuxを勉強したいけど、何から始めればいいか分からない」
この質問、15年間で一番多くもらった質問です。
3,200人以上の方にLinuxを教えてきましたが、
ほぼ全員が最初にこの悩みを抱えていました。
ネットで「Linux 勉強方法」と検索すると、
「まずUbuntuをインストールしましょう」
「コマンドを覚えましょう」
「LPICを取りましょう」
といった情報がたくさん出てきます。
どれも間違いではないんですが、
一つだけ重大な問題があります。
それは、 「現場で使える技術」になれるまで時間が掛かり過ぎる
ということです。
今回は、Linuxをこれから始める初心者が
最短で「現場で使えるレベル」に到達するためのロードマップをお伝えします。
本で挫折した方も、
何から手をつけていいか迷っている方も、
この記事の順番通りに学習を進めていけば大丈夫です。
Linuxの勉強で最初に決めること:ゴールを明確にする
勉強方法の話をする前に、一つ大事なことがあります。「あなたはLinuxで何をしたいのか?」
これを先に決めてください。
ゴールによって、学ぶ内容も順番も全然違います。
大きく分けると、Linuxの学習目的は3つに分かれます。
1. サーバー管理者・インフラエンジニアになりたい
→ サーバー構築、セキュリティ、運用監視が中心
2. アプリ開発やAI/データ分析でLinuxを使いたい
→ コマンド操作、開発環境の構築が中心
3. 趣味や自己学習でLinuxを触ってみたい
→ デスクトップLinux、基本操作が中心
この記事では、
最もニーズが多い
「1. サーバー管理者・インフラエンジニア」を目指す方向けのロードマップを解説します。
なぜなら、これが最も「仕事に直結する」ゴールであり、
私が15年間教え続けてきた技術だからです。
多くの人が間違える「勉強の順番」
いきなり厳しいことを言いますが、Linuxの独学で挫折する人の大半は「順番」を間違えています。
よくある間違いパターンがこれです。
ありがちな順番(挫折しやすいパターン)
・分厚い参考書を買う
・コマンドを片っ端から覚える
・資格(LPIC/LinuC)の勉強をする
・いつかサーバーを構築してみる ← ここまでたどり着かない
この順番だと、コマンドの暗記で燃え尽きるか、
「資格は取ったけど実際にサーバーは作れない」 という状態になります。
実際、私のセミナーに来る方の中にも
「LPICレベル1は持っているけど、サーバー構築は未経験です」
という方が少なくありません。
では、正しい順番はどうなるのか?
最短ルートの順番
1. 自分のLinux環境を用意する
2. 1台のサーバーを最初から最後まで構築する
3. その過程で必要なコマンドを覚える
4. 資格は「後から」取る
つまり、「覚えてから作る」のではなく、「作りながら覚える」。
これが最短でスキルアップできる方法です。
ステップ1:自分専用のLinux環境を用意する
Linuxの勉強で最初にやることは、自分のLinux環境を持つことです。「当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、
意外とここで止まっている人が多いんです。
環境の選択肢は主に3つあります。
方法1:仮想環境(VirtualBox / VMware)
お使いのWindows PCやMacの中に、仮想マシンとしてLinuxをインストールする方法です。
初心者にはこれが一番おすすめです。
理由は、壊しても何度でもやり直せるから。
サーバー構築の練習では、設定を間違えてOSが起動しなくなることがあります。
仮想環境なら、スナップショットを取っておけば一瞬で元に戻せます。
この「壊しても大丈夫」という安心感が、学習の進みを大きく変えます。
方法2:VPS(さくらVPS、ConoHa等)
クラウド上にLinuxサーバーを借りる方法です。月額数百円から使えて、実際のサーバー運用に近い環境が手に入ります。
ただし、VPSはインターネットに公開された状態なので、
セキュリティ設定を誤ると外部から攻撃されるリスクがあります。
完全な初心者は、まず仮想環境で基本を覚えてからVPSに進むのが安全です。
方法3:Raspberry Pi / 古いPC
手元に余っているPCがあれば、そこにLinuxをインストールして使う方法もあります。Raspberry Piなら数千円で手に入ります。
■重要:どのLinuxを選ぶか
ここが非常に大事なポイントです。
ネットの記事では「Ubuntuがおすすめ」と書かれていることが多いですが、
サーバー管理者・インフラエンジニアを目指すなら、まずはRHEL系を選んでください。
(Ubuntuを使う現場なのがはっきりしている場合はUbuntuで問題ありません)
具体的には、AlmaLinux、Rocky Linux、
またはRHEL(Red Hat Enterprise Linux)です。
なぜかというと、日本企業のサーバーの多くがRHEL系で動いているからです。
Ubuntuで覚えたコマンドやパッケージ管理が、
現場のRHEL環境で通じないケースは珍しくありません。
たとえば、Ubuntuでは「apt」コマンドを使いますが、
RHEL系では「dnf」コマンドです。
ファイアウォールの設定方法も異なります。
最初から現場と同じ環境で学ぶ。これだけで遠回りを避けられます。
AlmaLinuxやRocky Linuxは無料で使えるので、費用の心配もありません。
RHEL10で何が変わったかを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
[RHEL10の主な変更点まとめ|CentOSからの移行で注意すべきポイント]
ステップ2:1台のサーバーを構築する
Linux環境ができたら、次にやるのは「1台のWebサーバーを構築すること」です。
「え、いきなりサーバー?もっと基礎を勉強してからじゃないと...」
と思うかもしれません。
でも、サーバー構築こそが最高の基礎学習なんです。
なぜなら、サーバーを1台構築する過程で、
以下の基本スキルが全て身につくからです。
・コマンド操作(cd、ls、vi、cat、grep、chmod、chown...)
・パッケージ管理(dnf install、dnf update...)
・サービス管理(systemctl start、systemctl enable...)
・ネットワーク設定(IPアドレス、DNS、ポート...)
・セキュリティ設定(firewall-cmd、SSH鍵認証、SELinux...)
・ログの読み方(journalctl、/var/log/messages...)
バラバラにコマンドを覚えるよりも、
「サーバーを動かすために必要だから覚える」という順番の方が、
圧倒的に定着します。
■最初に構築すべきサーバーの構成
初心者が最初に構築するなら、この構成がおすすめです。
1. OSインストール(AlmaLinux または Rocky Linux)
2. ネットワーク設定(IPアドレス、ホスト名)
3. SSH接続設定(リモートからログインできるようにする)
4. ファイアウォール設定(firewalld)
5. Webサーバー構築(Apache httpd)
6. SSL/TLS設定(HTTPS化)
7. ログ監視設定(journalctl、logrotate)
8. 自動バックアップ設定(cron)
この8ステップを最初から最後まで完走すれば、
現場で「Linuxサーバーの基本は分かっています」と言えるレベルになります。
「でも、この手順をどうやって学べばいいの?」
これについては、後ほど学習方法の比較で詳しく説明します。
ステップ3:コマンドは「使いながら」覚える
ステップ2でサーバーを構築していく中で、自然とコマンドを使うことになります。
ここで大事なのは、「コマンドの暗記」を目的にしないことです。
よくある失敗が、コマンド一覧表を印刷して丸暗記しようとすること。
Linuxのコマンドは数百種類ありますが、
現場で日常的に使うのは30〜40種類程度です。
しかも、覚え方にコツがあります。
コマンドを打つ時は、必ず「このコマンドは何をしているのか」を意識する。
たとえば、
chmod 755 /var/www/html
・chmod → ファイルの権限(パーミッション)を変更するコマンド
・755 → 所有者は全権限、グループと他者は読み取り・実行のみ
・/var/www/html → Webサーバーの公開ディレクトリ
という意味を理解しながら打つ。
この「一手間」を惜しまないだけで、
応用力がまったく違ってきます。
また、分からないコマンドがあったら、
man chmod
chmod --help
これが「自分で調べて解決する力」につながります。
現場では、この力が一番重要です。
学習方法を比較する:独学・本・スクール・セミナー
Linuxの勉強方法は、大きく4つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットを正直に比較します。
■1. 独学(ネット情報ベース)
メリット:無料で始められる。自分のペースで進められる。
デメリット:情報が断片的で体系性がない。古い情報が多い。エラーが出た時に自力で解決する必要がある。
向いている人:ある程度のIT経験があり、自走できる人。
※ネットの情報は「CentOS 7時代」の記事がまだ多く残っています。
2024年以降、CentOSはサポート終了しているため、
古い記事の手順そのままでは動かないケースが頻発します。
独学で挫折するパターンについて詳しく知りたい方はこちら。
[Linux独学で挫折する人の共通点5つ|15年で3,100人を指導した講師が見た現実]
■2. 書籍
メリット:体系的に学べる。持ち運べる。何度も読み返せる。
デメリット:出版時点の情報で固定される。環境の違いでエラーが出やすい。質問できない。
向いている人:活字が好きで、じっくり学びたい人。
※書籍を選ぶ時は「出版年」と「対象OS」を必ず確認してください。
2022年以前の書籍はCentOS 7/8を前提にしているものが多く、
現在の環境(RHEL10 / AlmaLinux 10 / Rocky Linux 10)とは
パッケージ名やコマンドが異なる場合があります。
■3. ITスクール(長期型)
メリット:カリキュラムが体系的。講師に質問できる。仲間ができる。
デメリット:費用が高い(数十万円〜)。期間が長い(数ヶ月〜)。座学中心になりがち。
向いている人:時間と予算に余裕があり、資格取得も視野に入れている人。
■4. 短期集中セミナー(ハンズオン型)
メリット:短期間(1〜2日)で実践的なスキルが身につく。講師がエラーをその場で解決。手順書が手に入る。
デメリット:費用がかかる。日程の調整が必要。
向いている人:「とにかく早く現場レベルになりたい」人。独学で挫折した経験がある人。
■学習時間の目安比較
ここが一番知りたいところだと思います。
| 学習方法 | 基礎習得の目安 | 現場レベルの目安 |
|---|---|---|
| 独学(ネット) | 100〜200時間 | 500時間以上 |
| 書籍 | 60〜100時間 | 300〜500時間 |
| ITスクール | 40〜80時間 | 200〜300時間 |
| 短期集中セミナー | 10〜15時間 | 50〜100時間 |
なぜ短期集中セミナーが圧倒的に速いのか。
理由は2つあります。
1つ目は、「動く手順書」があるから。
独学では「参考書→コマンドを打つ→エラー→調べる→別のエラー」の繰り返しですが、
手順書ベースなら「この通りにやれば確実に動く」という道筋がある。
試行錯誤の時間がゼロになります。
2つ目は、「講師のエラー解決を横で見られる」から。
エラーが出た時に、プロがどうやって原因を特定し、解決するのか。
その思考プロセスを目の前で見ること自体が、ものすごい学びになるんです。
独学で500時間かかることが、手順書+講師の指導で50時間に短縮される。
これは大げさな話ではなく、実際にセミナーで起きている現実です。
資格(LPIC / LinuC)はいつ取るべきか?
「Linuxの勉強を始めたら、まず資格を取った方がいいですか?」この質問もよく受けます。
結論から言うと、資格は「後から」で大丈夫です。
資格の勉強は体系的な知識を整理するのに役立ちますが、
資格勉強だけでは「サーバーを構築できる力」は身につきません。
「LPICレベル1は合格したけど、実際のサーバー構築は未経験」
という方が現場に出ると、結局「使えない人」になってしまいます。
おすすめの順番はこうです。
1. まずサーバーを1台構築して「動かす経験」を積む
2. その後で資格勉強をすると、知識の整理になる
3. 実務経験+資格の組み合わせが、転職市場で最も評価される
つまり、実務スキル → 資格 の順番が正解です。
逆にすると、知識はあるが手が動かない状態になりやすい。
Linuxセミナーの選び方について知りたい方はこちらも参考にしてください。
[Linuxセミナーおすすめ7選【2026年版】初心者が失敗しない選び方を現役講師が解説]
よくある質問
Q. WindowsのPCしかありませんが、Linuxの勉強はできますか?
A. はい、できます。VirtualBoxという無料の仮想化ソフトをインストールすれば、
Windows PC上でLinuxを動かせます。
普段のWindows環境はそのまま使えるので、安心してください。
Q. LinuxはUbuntuとRHEL系、どちらで学ぶべきですか?
A. 目的によります。デスクトップ用途やアプリ開発ならUbuntuも良い選択です。
ただし、サーバー管理やインフラエンジニアを目指すなら、
RHEL系(AlmaLinux / Rocky Linux)をおすすめします。
日本企業のサーバーの多くがRHEL系で動いているため、
最初から現場と同じ環境で学ぶ方が効率的です。
Q. プログラミング経験がなくてもLinuxは学べますか?
A. 学べます。Linuxサーバーの管理にプログラミングは必須ではありません。
シェルスクリプト(簡単な自動化の仕組み)は覚えた方がいいですが、
本格的なプログラミング言語の知識がなくても
サーバー構築・運用は十分にできます。
Q. 勉強にどれくらいの期間が必要ですか?
A. 学習方法によって大きく変わります。
独学なら最低でも3〜6ヶ月。スクールなら2〜3ヶ月。
短期集中セミナーなら2日間で基礎が身につきます。
大事なのは期間よりも「正しい順番で、手を動かすこと」です。
Linux勉強方法のまとめ
Linux勉強の最短ロードマップをまとめると、
ステップ1:自分専用のLinux環境を用意する(RHEL系がおすすめ)
ステップ2:1台のWebサーバーを最初から最後まで構築する
ステップ3:コマンドは暗記ではなく「使いながら」覚える
そして学習方法は、
・独学:自走できる人向け。ただし情報が古いリスクあり
・書籍:体系的だが環境違いでエラーが出やすい
・ITスクール:体系的だが費用と期間が大きい
・短期集中セミナー:最短で現場レベルに到達できる
最も大事なのは、「覚えてから作る」のではなく「作りながら覚える」こと。
Linuxに才能は関係ありません。
必要なのは「正しい手順で、動くものを最後まで作り上げた経験」です。
その成功体験を最短で手に入れたい方は、
まずは自分に合った学習方法を選んでみてください。
P.S
「2日間で現場レベルのサーバーを構築できる」セミナーの詳細はこちら
【Linuxセミナー】リナックスマスタープロセミナー
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