Azure仮想マシンのサイズ変更をダウンタイムなしで実施する方法|Azure Portalで完全ガイド

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「Azure仮想マシンのサイズを変更したら、意図せずVMが完全停止してしまった。」
「ダウンタイムなしでリサイズできると聞いたが、どの条件が必要なのかわからない。」

Azureの仮想マシンサイズ変更は、変更先のサイズによって「割り当て解除なしで完了するケース」と「いったんVMを停止する必要があるケース」に分かれます。その違いを把握せずに本番VMで操作すると、予期しないサービス停止を招きます。

この記事では、Azure Portalを使ったVMサイズ変更の手順を解説します。Azure Portalのブラウザ操作を想定環境として、停止を最小化するための条件の見極め方から具体的な操作手順、変更できないときのトラブルシュートまでを説明します。

この記事のポイント

・同一クラスター内のサイズへの変更は割り当て解除なしで完了できる
・Azure Portalではサイズ変更画面で再起動・停止の有無を事前確認できる
・別クラスターのサイズへの変更は割り当て解除(VM停止)が必要になる
・変更前にvCPUクォータとストレージ互換性を必ず確認しておく


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VMサイズ変更でダウンタイムが発生する仕組み

Azureの仮想マシンは、データセンター内の「クラスター」と呼ばれる物理ホストのグループ上で動作しています。クラスターは特定のVMサイズシリーズに対応しており、現在のVMが稼働しているクラスターがサポートする範囲内で変更先サイズを選ぶと、VMを割り当て解除(停止)せずにサイズを変更できます。

一方、変更先サイズが現在のクラスターに存在しない場合(別のVMファミリーや別のハードウェア世代のサイズへの変更など)は、一度VMを割り当て解除して別のクラスターに再デプロイする必要があります。この際、VMは数分間停止します。

Azureのサイズ変更には次の2パターンがあります。

・割り当て解除なし(停止最小):変更先サイズが現在のクラスターで利用可能。OSのリブートが発生する場合がありますが、VMの再デプロイや一時リソースの喪失はありません。
・割り当て解除あり(完全停止):変更先サイズが別クラスターにしか存在しない。VM停止→サイズ変更→起動の手順が必要で、パブリックIPが動的割り当ての場合はIPアドレスが変わります。

Azure PortalでVMサイズを変更する手順

1. サイズ変更画面を開く

Azure Portalにサインインし、対象の仮想マシンを開きます。左メニューの「設定」セクションから「サイズ」をクリックします。

[Azure Portal の操作手順] 1. portal.azure.com にサインイン 2. 「仮想マシン」→ 対象VMの名前をクリック 3. 左メニュー「設定」→「サイズ」をクリック

サイズ一覧画面が表示されます。この画面ではvCPU数・メモリ量・一時ストレージ・ネットワーク帯域幅・最大データディスク数などの情報をもとにサイズを比較できます。

2. ダウンタイムなしで変更できるサイズを確認する

サイズ一覧の上部には「現在のVMのサイズ」が表示され、変更候補は「割り当て解除なし(現在のハードウェアで使用可能)」と「割り当て解除が必要」のグループに分かれて表示されます。停止を避けたい場合は、前者のグループからサイズを選びます。

フィルター機能(画面上部の検索ボックスやvCPU・メモリのスライダー)を使うと候補を素早く絞り込めます。

・停止を最小化したい場合:「割り当て解除なし」グループのサイズを選ぶ。
・必要なサイズが「割り当て解除が必要」グループにある場合:次のセクションの対処法を参照してください。

3. サイズを選択して変更を実行する

変更先サイズの行を選択(チェックを入れる)し、「サイズ変更」ボタンをクリックします。確認ダイアログは表示されないため、選択後すぐに変更が始まります。

変更が完了するまでの目安は1~5分です。PortalのVMの「概要」ページで状態が「実行中」に戻ることを確認します。

[サイズ変更完了の確認方法] 1. Azure Portal → 対象VM → 「概要」ページ 2. 「サイズ」フィールドに新しいサイズ名が表示されていることを確認 3. 「状態」が「実行中」になっていることを確認 # Azure CLI で確認する場合(出力例は環境により異なります) az vm show -g リソースグループ名 -n VM名 --query hardwareProfile.vmSize -o tsv # 出力例(環境により異なります) # Standard_D4s_v5

割り当て解除が必要なケースの対処法

変更先サイズが「割り当て解除が必要」グループにある場合は、計画的にメンテナンスウィンドウを設けてサイズ変更を実施します。

1. VMを割り当て解除する

Azure Portalの対象VM画面で「停止」ボタンをクリックします。ポップアップで割り当て解除の確認が表示されるので「はい」を選びます。状態が「停止済み(割り当て解除済み)」になるまで待ちます。

# Azure CLI でVMを割り当て解除する場合 az vm deallocate -g リソースグループ名 -n VM名 # 状態確認 az vm get-instance-view -g リソースグループ名 -n VM名 --query instanceView.statuses[1].displayStatus -o tsv # 出力例(環境により異なります) # VM deallocated

2. サイズを変更して起動する

割り当て解除後、「サイズ」メニューから変更先サイズを選択して「サイズ変更」をクリックします。変更完了後、「開始」ボタンでVMを起動します。

・パブリックIPが「動的割り当て」の場合はIPアドレスが変わります。固定したい場合は「静的割り当て」に変更しておくか、DNS側で対応してください。
・Azure Bastionやプライベートエンドポイント経由で接続している場合はIPアドレス変更の影響はありません。

サイズ変更前に確認すべき3つのポイント

1. vCPUクォータの上限

Azureではサブスクリプションごと・リージョンごとにvCPUの上限(クォータ)が設定されています。上限を超えるサイズへの変更はエラーになります。Azure Portal → 「サブスクリプション」→「使用量 + クォータ」で現在の使用量を確認できます。

# Azure CLI でvCPUクォータを確認する(出力例は環境により異なります) az vm list-usage -l japaneast --query "[?localName=='Total Regional vCPUs']" -o table # 出力例(環境により異なります) # Name CurrentValue Limit # Total Regional vCPUs 8 20

クォータが不足している場合は、Portalの「クォータ増加の要求」からMicrosoftにリクエストを送ります。審査に数時間~1営業日かかる場合があります。

2. プレミアムストレージの互換性

OSディスクやデータディスクにPremium SSDを使用している場合、変更先のVMサイズがPremium Storageに対応している必要があります。対応していないサイズへの変更はポータルが警告を表示します。変更先サイズの「Premium Storageのサポート」列が「サポートされています」になっていることを確認してください。

3. 可用性ゾーン・可用性セットの制限

可用性セット(Availability Set)に所属しているVMは、そのセット内のすべてのVMが同一クラスターに配置されるため、選択できるサイズが制限されます。変更先サイズが候補に表示されない場合は、可用性セットの構成を見直すか、一度可用性セットから外す選択肢もあります。ただし可用性セットの変更は高可用性設計に影響するため、事前にアーキテクチャを確認してください。

トラブルシュート:サイズが変更できないときの確認ポイント

「このサイズはリージョンで利用できません」エラー

変更先サイズが対象リージョンで提供されていない場合のエラーです。Azure CLI で次のコマンドを実行し、リージョンで利用可能なサイズ一覧を確認します。

# リージョンで利用可能なVMサイズを確認する az vm list-sizes -l japaneast -o table | grep Standard_D # 出力例(環境により異なります) # Standard_D2s_v5 2 7168 ... # Standard_D4s_v5 4 14336 ...

サイズ変更後もポータル上のサイズが変わらない

ブラウザキャッシュが原因で古い情報が表示されることがあります。ページを強制リロード(Ctrl+F5)するか、VMの「更新」ボタンをクリックして最新の状態を取得してください。

「割り当て解除なし」グループにサイズが表示されない

現在のVMが特定のハードウェア世代のクラスターにある場合、同一ファミリーの新しいサイズがそのクラスターに存在しないことがあります。この場合は割り当て解除してから変更するか、移行先サイズを再検討してください。割り当て解除後に再起動すると別のクラスターに配置され、選択肢が広がる場合があります。

本記事のまとめ

シナリオ 操作 ダウンタイム
同一クラスター内のサイズへ変更 Azure Portalの「サイズ」からクリックするだけ OSリブートのみ(割り当て解除なし)
別クラスターのサイズへ変更 割り当て解除 → サイズ変更 → 起動 数分間の停止(割り当て解除あり)
変更先サイズが表示されない az vm list-sizes でリージョン対応を確認 —
vCPUクォータ不足エラー 「使用量 + クォータ」からクォータ増加を申請 —
Premium SSD非互換エラー 変更先サイズの「Premium Storageのサポート」列を確認 —
Azure Portalのサイズ変更画面は「割り当て解除なし」と「割り当て解除が必要」を明確に区分しているため、事前確認がしやすい設計になっています。本番環境では変更前にクォータ・ストレージ互換性・可用性セットの3点を確認してから操作することをお勧めします。

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リナックスマスター.JP(代表 宮崎智広)

株式会社イーネットマーキュリーが運営するLinux教育サイトです。代表の宮崎智広は現役のLinuxサーバー管理者として20年以上の実務経験を持ち、累計3,100名以上のエンジニアを指導してきました。実践型のLinuxセミナーや無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいます。