AlmaLinux 10 インストール手順|USB作成からminimal/server/workstation構成別設定

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宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
「AlmaLinux 10をとりあえず1台立てて触ってみたいが、ISOの種類が3つあって選べない。USB作成も久しぶりで手順を忘れた」
そう感じている方に向けて、ISO選定からインストール後の動作確認まで、1ページで全工程を追える形でまとめます。

AlmaLinux 10「Purple Lion」のインストール自体は難しくありませんが、ISO種類の使い分け・x86-64-v3要件・ベース構成の選択・SELinux初期モードなど、地味につまずくポイントが点在しています。

この記事ではAlmaLinux 10のISO入手からインストール後の確認コマンドまで、コマンド例と実出力を交えて解説します。AlmaLinux 10の特徴やMIRACLE LINUXとの関係を先に把握したい方は「AlmaLinux 10とは|CentOS後継本命の特徴・MIRACLE LINUX統合・サポート期間まとめ」を先に読むと、インストール中の選択がスムーズになります。

この記事のポイント

・ISOはboot.iso/minimal.iso/dvd.isoの3種類、用途で選ぶ
・x86-64-v3未対応CPUではAlmaLinux 10は起動しない
・ベース環境はMinimal/Server/Server with GUI/Workstationの4択
・SELinuxはenforcingのまま運用するのが現代の正解


AlmaLinux 10 インストール手順|USB作成からminimal/server/workstation構成別設定
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AlmaLinux 10 ISOのダウンロード先と種類の違い

最初の関門はISOの入手元と種類の選択です。AlmaLinux 10の公式ISOは用途別に3種類が配布されています。

ダウンロード先は以下の2択です。

公式サイト:https://almalinux.org/get-almalinux/
日本のミラー:https://ftp.iij.ad.jp/pub/linux/almalinux/10/isos/x86_64/

回線が細い環境ならIIJミラーのほうが速いことが多く、私も普段IIJを使っています。

ISOの種類は以下のとおりです。

AlmaLinux-10-latest-x86_64-boot.iso(約1.2GB):最小起動メディア。インストール中にネットワーク経由でパッケージを取得する。回線が太く、最新パッチで入れたい場合の本命
AlmaLinux-10-latest-x86_64-minimal.iso(約2.2GB):最小構成のオフラインインストール用。検証環境を1台立てるだけならこれが一番手軽
AlmaLinux-10-latest-x86_64-dvd.iso(約11GB):フル構成。デスクトップ環境込みで全パッケージ同梱。ネット非接続環境向け

迷ったらminimal.isoでOKです。サーバー検証なら90%のケースでこれで足ります。

ダウンロードしたISOは必ずsha256sumで検証してください。検証を飛ばしてUSBを作成し、後から「インストール中にエラーが出る」と気づくのが一番もったいないパターンです。

# ISOとCHECKSUMをダウンロードしたディレクトリに移動する $ cd ~/Downloads # 単体ファイルのハッシュを確認する $ sha256sum AlmaLinux-10-latest-x86_64-minimal.iso 4f9a2b1c8e7d...(64文字のハッシュ値) AlmaLinux-10-latest-x86_64-minimal.iso # CHECKSUMファイルと一括照合する $ sha256sum -c CHECKSUM 2>&1 | grep -v 'No such' AlmaLinux-10-latest-x86_64-minimal.iso: OK

OK と表示されればISOは正しくダウンロードできています。FAILED が出た場合は再ダウンロードしてください。

x86-64-v3要件を事前確認する

AlmaLinux 10からx86-64-v3が必須になりました。Intel Haswell(第4世代Core、2013年以降)またはAMD Excavator以降のCPUが対象です。古い検証機やVPSの初期プランではブートすらしないため、必ず事前確認してください。既存Linux機での確認コマンドは以下です。

# v3対応に必要な3つのフラグを確認する $ grep -o 'avx2\|sse4_2\|bmi2' /proc/cpuinfo | sort -u avx2 bmi2 sse4_2 # 上記3つすべてが出力されればv3対応

3つすべて表示されない場合は、AlmaLinux 9系(2032年5月までサポート)へのフォールバックを検討してください。

インストールUSBの作成(Windows/macOS/Linux別の手順)

次に起動可能なUSBメモリを作成します。最低4GB(できれば8GB以上)のUSBを用意してください。USB内のデータは全て消えるので、空のものか消えても困らないものを使います。

1. WindowsはRufusが安定

Windowsで一番安定しているのはRufusです。https://rufus.ie/ から最新版をダウンロードします(インストール不要のexe)。

手順は以下のとおりです。

・Rufusを起動
・「デバイス」欄でUSBメモリを選択
・「ブートの種類」で先ほど落としたISOを指定
・「パーティション構成」はGPT、「ターゲットシステム」はUEFIを選択
・「スタート」をクリック、「ISOイメージモードで書き込む」を選んでOK

書き込みは5~10分ほどで完了します。「準備完了」表示後にUSBを安全に取り外してください。

2. macOS/Linuxはddが最速

macOSとLinuxはddが最速です。GUIも使えますが、ddのほうがミスが少ないです。まずUSBのデバイス名を確認します。

# Linuxの場合 $ lsblk NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS sda 8:0 0 465.8G 0 disk ├─sda1 8:1 0 1G 0 part /boot/efi └─sda2 8:2 0 464.8G 0 part / sdb 8:16 1 7.5G 0 disk └─sdb1 8:17 1 7.5G 0 part # macOSの場合 $ diskutil list /dev/disk2 (external, physical): #: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER 0: FDisk_partition_scheme *7.7 GB disk2 1: DOS_FAT_32 UNTITLED 7.7 GB disk2s1

USBメモリは多くの場合 /dev/sdb(Linux)か /dev/disk2(macOS)になります。サイズで識別してください。間違えてシステムディスクを指定すると大惨事になります。

# Linuxでddを実行する(デバイス名は必ずlsblkで確認したものを使う) $ sudo dd if=~/Downloads/AlmaLinux-10-latest-x86_64-minimal.iso of=/dev/sdb bs=4M status=progress conv=fdatasync # macOSの場合(diskではなくrdiskを使うと高速) $ diskutil unmountDisk /dev/disk2 $ sudo dd if=~/Downloads/AlmaLinux-10-latest-x86_64-minimal.iso of=/dev/rdisk2 bs=4m status=progress

status=progress を付けると進捗が見えます。書き込みが終わったら sync を打ってから抜いてください。

3. balenaEtcherはOS問わず安全

ddが不安な方はbalenaEtcher(https://etcher.balena.io/)を使ってください。Windows・macOS・Linux共通のGUIツールで、ISOとUSBを選んで「Flash」を押すだけ。ddより少し遅いですがデバイス選択ミスを防ぐ仕組みがあって安全です。

インストーラ起動とテキスト/グラフィカルモードの選択基準

USBが完成したら対象のPCに差して起動します。BIOS/UEFIで起動順序をUSB優先にするか、起動メニュー(多くの機種でF12)からUSBを選んでください。

USBから起動するとAnaconda(AlmaLinuxのインストーラ)の起動メニューが表示されます。

# 起動メニューの選択肢 Install AlmaLinux 10.0 Test this media & install AlmaLinux 10.0 ← 初回はこちらを推奨 Troubleshooting -->

初回は2番目の「Test this media」を選びます。USBの整合性チェック後にインストーラが起動します。2回目以降は1番目で十分です。

インストーラはデフォルトでグラフィカルモードが起動します。サーバー機でビデオドライバが認識されない場合や、シリアルコンソール経由でインストールしたい場合はテキストモードを選択します。

モード選択の判断軸は以下のとおりです。

グラフィカルモード:マウスとGUIで設定。パーティション設計など視覚的に確認したい場合。物理マシンで一般的
テキストモード(inst.text を起動オプションに追加):VRAM不足のサーバーや、SSH/シリアル経由のリモートインストール。設定項目は同じだが操作はキーボード番号入力

グラフィカルモードでも操作は数字選択型のシンプルな構造(インストール概要画面)です。RHEL系のAnacondaに馴染みがあれば迷わず進められます。
AlmaLinux 10 インストール手順|USB作成からminimal/server/workstation構成別設定 - 解説1

ベース環境の選び方(Minimal/Server/Server with GUI/Workstation)

インストール概要画面で最も悩むのが「ソフトウェアの選択」です。AlmaLinux 10では以下の4つから選べます。

Minimal Install:SSH接続できる最小限の構成。Webサーバー・DBサーバーなど用途を絞ったサーバー向け。約1GB
Server:Minimalにファイル・印刷・メール等のサーバー系パッケージを追加。汎用サーバー向け。約2GB
Server with GUI:ServerにGNOMEデスクトップを追加。物理サーバーをローカルから操作したい場合。約4GB
Workstation:開発者向けデスクトップ環境。LibreOffice・Firefox等が同梱。約4.5GB

20年以上Linuxサーバーを運用してきた感覚では、本番投入を想定するならMinimal Install一択です。GUIや余計なパッケージが入っていると攻撃面が広がりますし、後から削るより最初から入れない方が確実です。

検証目的でいろいろ試したい場合はServer with GUIが手軽です。ブラウザでドキュメントを見ながらコマンドを試せます。

ベース環境を選んだら、右側の「追加ソフトウェア」で必要なパッケージグループを追加します。SSHサーバー、開発ツール、システムツール等が用途別に並んでいるので、最低限必要なものだけチェックしてください。後から dnf groupinstall でも追加できます。

パーティション設計とSELinux初期モード設定

次に重要なのが「インストール先」の設定です。「自動構成」でも動きますが、サーバー用途や長く使う予定なら手動でパーティションを切っておくと後が楽です。私が普段使っている構成(500GB SSDサーバー機)はこうです。

/boot/efi:1GB(EFI System Partition、UEFIブート用)
/boot:1GB(xfs、カーネルイメージ用)
/:50GB(xfs、システム本体)
swap:4GB(サーバー用途、後述の場合分け参照)
/home:残り全部(xfs、ユーザーデータ用)

AlmaLinux 10ではxfsがデフォルトです。/homeを分離しておくと、OS再インストール時にユーザーデータをそのまま残せます。私の検証機もこの構成のおかげで、毎回データ移行が不要でした。

swapサイズは用途で分けます。サーバー用途(hibernate不使用)は4GB程度で十分です。デスクトップ用途やhibernate(休止状態)を使う場合は搭載メモリと同サイズ以上を確保してください。

LVMを使うと後からパーティションを伸縮できるので、本番運用なら/と/homeはLVMで切っておくと安心です。

SELinuxはenforcingのまま運用する

AlmaLinux 10のインストーラはSELinuxを enforcing(強制モード)でインストールします。これがデフォルトで、現代では基本的にこのまま運用するのが正解です。

CentOS 6時代までは「とりあえずSELinuxを切る」が定番でしたが、現在のRHEL 10系ではApache・Nginx・PostgreSQL等の主要パッケージがSELinuxポリシー込みで提供されており、無効化する理由はほぼありません。むしろセキュリティ監査で指摘される時代です。

インストール時の「Security Profile」画面では、PCI-DSSやCIS等の業界標準プロファイルを選択できます。一般用途は未選択で問題ありません。

やむを得ずSELinuxを無効化したい場合の手順は「SELinuxを無効化・確認する方法|enforcing/permissive/disabled切替とgetenforce・sestatus」を参照してください。ただし無効化は最終手段で、まずは audit2allow で例外ポリシーを作る方向で対処するのが筋です。

パーティション設計とSELinuxの設定が終わったら、rootパスワードと一般ユーザーを設定して「インストールの開始」をクリックします。Minimal構成なら10~15分で完了します。

インストール後すぐ確認するコマンド集

再起動してログインプロンプトが出たら、ターミナルから以下のコマンドで動作確認をします。「本当にAlmaLinux 10になっているか」を確実にする7本です。

# 1. ディストリビューションのバージョン確認 $ cat /etc/os-release NAME="AlmaLinux" VERSION="10.0 (Purple Lion)" ID="almalinux" ID_LIKE="rhel centos fedora" VERSION_ID="10.0" PLATFORM_ID="platform:el10" PRETTY_NAME="AlmaLinux 10.0 (Purple Lion)" # 2. AlmaLinux固有のリリース情報 $ cat /etc/almalinux-release AlmaLinux release 10.0 (Purple Lion) # 3. カーネルバージョン確認 $ uname -r 6.12.0-21.el10.x86_64 # 4. リポジトリ設定の確認 $ dnf repolist repo id repo name appstream AlmaLinux 10 - AppStream baseos AlmaLinux 10 - BaseOS extras AlmaLinux 10 - Extras # 5. SELinuxの状態確認(enforcingが正常) $ getenforce Enforcing # 6. firewalldが起動しているか確認 $ systemctl is-enabled firewalld enabled $ systemctl is-active firewalld active # 7. IPアドレスとデフォルトゲートウェイの確認 $ ip a | grep inet inet 127.0.0.1/8 scope host lo inet 192.168.1.50/24 brd 192.168.1.255 scope global dynamic noprefixroute enp1s0 $ ip route | grep default default via 192.168.1.1 dev enp1s0 proto dhcp metric 100

このうち1と2と3が一番大事です。PRETTY_NAME="AlmaLinux 10.0 (Purple Lion)" と表示され、カーネルが 6.12.x.el10 であれば、間違いなくAlmaLinux 10のインストールが成功しています。

DNF 5の動作確認も済ませておきましょう。

# DNF 5のバージョン確認 $ dnf --version 5.2.7.0 # キャッシュ更新と更新パッケージ確認 $ sudo dnf check-update

AlmaLinux 10ではDNF 5系列に刷新されていますが、dnf installdnf updatednf remove 等の基本構文は9系と同じで、CentOS 7時代の yum の感覚でそのまま操作できます。DNF 5の主な改良点は実行速度の向上で、利用者側の操作変更はほぼありません。

MIRACLE LINUX 10利用者向けの差分

サイバートラスト社のMIRACLE LINUX 10もベースはAlmaLinux 10と同じで、確認コマンドの出力に以下の違いが出ます。

# MIRACLE LINUX 10の場合のリリース情報 $ cat /etc/os-release NAME="MIRACLE LINUX" VERSION="10.0" ID="miraclelinux" ID_LIKE="rhel centos fedora" # MIRACLE固有のリリースファイル $ cat /etc/miraclelinux-release MIRACLE LINUX release 10.0

ID_LIKEはAlmaLinux 10と同じで、Ansible等の構成管理ツールからも同等に扱えます。MIRACLE固有の差分は日本語ドキュメント・国内サポート・独自パッチの3点で、コマンド操作レベルでの違いはほぼありません。
AlmaLinux 10 インストール手順|USB作成からminimal/server/workstation構成別設定 - まとめ

本記事のまとめ

工程 要点
ISOダウンロード almalinux.orgまたはIIJミラー、minimal.isoが本命、sha256sumで必ず検証
CPU要件 x86-64-v3必須(Haswell以降)、avx2/sse4_2/bmi2フラグで事前確認
USB作成 Windows=Rufus、macOS/Linux=dd、迷ったらbalenaEtcher
インストーラモード 物理機はグラフィカル、リモート/シリアルはinst.textでテキスト
ベース環境 本番=Minimal、検証=Server with GUI、Workstationは開発機向け
パーティション /boot/efi 1GB・/boot 1GB・/ 50GB・swap・/home 残り、xfsが標準
SELinux enforcingのまま運用、無効化は最終手段
動作確認 cat /etc/os-release・uname -r・dnf repolist・getenforceで確認
ここまでの手順でAlmaLinux 10が立ち上がります。作業時間は1時間ほどを見ておけば十分です。

次は本番運用に耐える初期設定(SSH鍵認証・firewalld・dnf-automatic等)です。「AlmaLinux 10 サーバー初期設定10項目|SELinux・firewalld・dnf・SSH鍵認証」はこちらでまとめています。

すでにCentOS 7/8を運用中で移行したい方は「CentOS 7/8からAlmaLinux 10への移行手順|almalinux-deploy実行と失敗時の復旧」はこちらでまとめています。almalinux-deployでのin-placeアップグレード手順と失敗時の復旧パターンを実機検証ベースでまとめます。

20年以上Linuxサーバーを運用してきた経験から言うと、AlmaLinux 10のインストールでつまずく方の多くは「x86-64-v3要件を確認せずに古いCPUで試す」「ISO選びでdvd.isoを選んで時間を浪費する」「SELinuxを反射的に無効化する」のいずれかが原因です。今回紹介した手順を一度なぞっておけば、本番環境への投入もスムーズに進められるはずです。
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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として15年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。


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