XFSとReiserFS|2026年の現代Linuxファイルシステム選定とXFS実務コマンド

宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
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この記事のポイント

・XFSはRHEL7以降のデフォルトFS。大容量・並列I/Oに強く、現代の本番サーバーの標準
・ReiserFSは2022年のLinuxカーネル5.18で非推奨、6.13で完全削除済み。新規構築では使わない
・現代の選択肢はXFS(業務サーバー)/ ext4(汎用・縮小可)/ Btrfs(スナップショット用途)の三択
・mkfs.xfs / xfs_info / xfs_growfs / xfs_repair の4コマンドが XFS運用の基本セット

「XFSとReiserFSって、結局どっちを使えばいいんですか?」

2010年代前半まではよく受けた質問ですが、2026年のいま、答えはシンプルです。ReiserFSはLinuxカーネルから削除済みなので選ぶ余地はなく、XFSはRHEL7以降のデフォルトとして現代の本番サーバーで広く使われています。

この記事では、20年以上Linuxサーバーを運用してきた経験から、XFSとReiserFSの位置づけを2026年の現実に合わせて整理し、ファイルシステム選定で現場が迷わない判断軸を解説します。RHEL 9 / Rocky Linux 9 / AlmaLinux 9 / Ubuntu 22.04・24.04 LTSで動作確認済みです。

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XFSとReiserFSのいま:2026年時点の立ち位置

多くのディストリビューションでは、ext3が標準のファイルシステムになっていた時代もありますが、
XFSやReiserFSといったファイルシステムを利用することもできます。

XFSは、SGI社が自社のUNIX用(IRIX)に開発したジャーナリングファイルシステムで、
堅固で高速なのが特徴です。RHEL 7(2014年リリース)以降、Red Hat系の標準ファイルシステムに採用されており、現代のサーバー環境では事実上のデファクトスタンダードになっています。

また、ReiserFSは、Linux用に開発されたジャーナリングファイルシステムになり、
ディスク使用効率が高く、ファイル検索が高速なのが特徴です。ただし、開発者の事情と後継のReiser4が主流カーネルに取り込まれなかった結果、メンテナンスが事実上停止しています。

■ReiserFSの非推奨・削除の経緯

2022年5月(Linux 5.18):ReiserFSが正式に「非推奨(deprecated)」扱いに変更
2025年1月(Linux 6.13):ReiserFSのカーネルからの完全削除が確定(メインライン除外)
RHEL系:RHEL 7以降は標準でReiserFSを含まず、RHEL 8/9でも非サポート
Ubuntu系:Ubuntu 22.04 LTS時点でmount可能だが、24.04 LTS以降は新規構築で非推奨

新規にサーバーを構築する場面でReiserFSを選ぶ理由は、もう存在しません。既存環境にReiserFSがマウントされているなら、データを退避してXFSまたはext4に移行するのが2026年の本筋です。

XFSファイルシステムの主なコマンド

XFSは現代のRHEL/CentOS Stream/Rocky Linux/AlmaLinuxのデフォルトファイルシステムです。専用コマンドは「mkfs / 情報取得 / 拡張 / 修復」の4系統で覚えると現場で迷いません。
コマンド用途
mkfs.xfs /dev/sdb1XFSファイルシステムを作成する
xfs_info /mnt/dataマウント済みXFSの情報を表示する(旧 xfs_check 相当)
xfs_growfs /mnt/dataマウント中のままXFSを拡張する(オンライン拡張可)
xfs_repair /dev/sdb1アンマウントしてからXFSを修復する
xfs_db -r /dev/sdb1XFSのデバッグ/低レベル解析(読み取り専用推奨)
xfs_quota -x -c 'report' /mnt/dataXFSのクォータ状況を確認する

XFSの実務でよく使う3コマンド

私のセミナーでは、XFSの実務コマンドとして次の3つを最優先で覚えてもらいます。

# 新規ディスクをXFSでフォーマット [root@Tiger ~]# mkfs.xfs /dev/sdb1 meta-data=/dev/sdb1 isize=512 agcount=4, agsize=1310720 blks = sectsz=512 attr=2, projid32bit=1 = crc=1 finobt=1, sparse=1, rmapbt=0 data = bsize=4096 blocks=5242880, imaxpct=25 = sunit=0 swidth=0 blks naming =version 2 bsize=4096 ascii-ci=0, ftype=1 log =internal log bsize=4096 blocks=2560, version=2 realtime =none extsz=4096 blocks=0, rtextents=0 # マウントして情報確認 [root@Tiger ~]# mount /dev/sdb1 /mnt/data [root@Tiger ~]# xfs_info /mnt/data # 拡張(LVMでサイズ拡張した後にFSを伸ばす) [root@Tiger ~]# xfs_growfs /mnt/data

【重要】XFSは縮小(shrink)できない

XFSの仕様上、ファイルシステムの縮小はできません。拡張はオンラインで可能ですが、減らしたい場合は「データを退避 → mkfs.xfs で作り直し → データ戻し」が唯一の手順です。

サイズを後から減らす可能性があるシステムでは、XFSではなくext4を選ぶか、ZFS/Btrfsを検討します。これは現場で実際にハマるポイントなので、新規構築時にサイジングを慎重に決めるのが鉄則です。

ReiserFSファイルシステムの主なコマンド

ReiserFSはカーネル削除済みのため、新規利用は非推奨です。ただし既存環境のメンテナンス・移行作業で必要になる場合があるため、コマンドは記録として残します。
コマンド用途
mkfs.reiserfs /dev/sdc1ReiserFSファイルシステムを作成する(mkreiserfsも同義)
reiserfsck /dev/sdc1ファイルシステムをチェックする
debugreiserfs /dev/sdc1ファイルシステムの問題解決を行う
reiserfstune /dev/sdc1ファイルシステムのパラメータを調整する
新規にmkfs.reiserfsを叩いてはいけません。既存ReiserFSパーティションを別FSへ移行する場合の手順は次のとおりです。

・対象パーティションをマウントしてデータを別ボリュームへrsyncで退避
・umount後、mkfs.xfs または mkfs.ext4 でフォーマット
・rsyncでデータを戻す
・/etc/fstabのファイルシステムタイプを reiserfs → xfs / ext4 に書き換え

2026年のファイルシステム選定:XFSを軸にした現代の3択

ReiserFSが選択肢から外れた今、Linux本番サーバーで現実的な選択肢は次の3つです。
ファイルシステム強み使いどころ
XFS大容量・並列I/Oに強い、RHEL系デフォルト業務サーバー全般、DBサーバー、ファイルサーバー
ext4枯れて安定、縮小可能、Ubuntuデフォルト汎用用途、サイズ変更が想定される環境
Btrfsスナップショット・サブボリューム・圧縮対応SUSE系、バックアップ重視環境、開発検証機

XFS vs Btrfs:スナップショットが要るかどうかが分かれ目

XFSとBtrfsはどちらも現代の有力選択肢ですが、設計思想が違います。

XFS:スナップショット機能は外部(LVM Thin・Stratis)に任せる設計。本体はI/O性能と安定性に特化
Btrfs:スナップショット・サブボリューム・送受信転送(btrfs send/receive)が内蔵

本番DB・大容量ファイルサーバーで「とにかく安定」が最優先ならXFS。バックアップ戦略にスナップショットを組み込みたいならBtrfs、というのが現場の判断軸です。

ちなみにRed HatはRHEL 9でBtrfsをサポート対象外のままにしており、XFS + Stratis の組み合わせを推奨しています。SUSEはBtrfsをデフォルトに採用しており、ディストリの方針も判断材料になります。

ジャーナリングファイルシステムとは(補足)

ジャーナリングファイルシステムとは、ファイルシステムの操作をジャーナル(ログ)に記録する機能を備えたファイルシステムのことを指し、ファイルシステムの整合性チェックが素早く行えるので、障害が発生した際のリブート時間を短縮出来るメリットがあります。

XFS・ReiserFS・ext3/ext4・Btrfsは、いずれもジャーナリングを実装しています。電源断やシステムクラッシュからの復旧時、journal の再生(replay)で短時間で整合性を回復できる点が、現代のサーバー運用で標準仕様になっている理由です。

本記事のまとめ:XFSとReiserFSの位置づけ

XFSとReiserFSの位置づけと、現代の選定軸を一覧でまとめます。
項目XFSReiserFS
2026年の状況RHEL系デフォルト・現役カーネル6.13で削除済み
新規構築での選択推奨非推奨(移行対象)
強み大容量・並列I/O・安定過去:ディスク効率・小ファイル高速
縮小(shrink)不可不可
主要コマンドmkfs.xfs / xfs_info / xfs_growfs / xfs_repairmkfs.reiserfs / reiserfsck(移行用)
2026年の現場では「新規はXFS(業務系)かext4(汎用)、ReiserFSは移行のみ、スナップショット要件があればBtrfs」と覚えておけば、ファイルシステム選びで迷うことはありません。

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として20年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。