Ubuntu 26.04 LTSをWSL2に導入する|wsl --install --from-fileの最新手順と確認ポイント

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宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
2026年4月23日に正式リリースされた Ubuntu 26.04 LTS(コードネーム Resolute Raccoon) を、いざ WSL2 に入れようとして「wsl --list --online に出てこない」と止まった方が多いはずです。私のところにも、この6月に入ってから同じ質問が立て続けに届きました。

結論から書きます。2026年6月現在、Ubuntu 26.04 LTS は WSL の標準インストール一覧(Microsoft Store / wsl --list --online)にはまだ並んでいません。代わりに、26.04 では新しく整備された .wsl 形式の配布イメージを wsl --install --from-file で読み込む手順が必要になります。本記事は、この「WSL2 上に Ubuntu 26.04 LTS を導入する」一点に軸を絞り、最新の手順と、入れた直後に確認しておくべきポイントを、20年以上 Linux サーバーの現場にいる立場から整理します。

なお、USBメモリから実機(ベアメタル)に26.04を入れる手順や、WSL2をこれから初めて触る方向けの基礎は別記事に分けてあります。本記事は「WSL2 環境はすでにある/作れる」前提で、26.04 を載せる部分に集中します。導線は本文中で案内します。

この記事のポイント
  • Ubuntu 26.04 LTS(Resolute Raccoon)は2026年4月23日リリース。だが2026年6月時点で wsl --list --online には未掲載で、wsl --install Ubuntu-26.04 では入らない。
  • 導入の本筋は .wsl 形式イメージ(ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl)を releases.ubuntu.com から取得し、wsl --install --from-file で読み込む方法。
  • --from-file は比較的新しいオプションのため、まず wsl --version で WSL 本体が最新かを確認するのが安全。古い環境では従来の wsl --import による tar 取り込みでも導入できる。
  • 導入後は cat /etc/os-releaseUbuntu 26.04 LTS を、python3 --version で 3.14 系を確認。systemd の有効化など WSL 固有の初期確認も併せて行う。

Ubuntu 26.04 LTSをWSL2に導入する|wsl --install --from-fileの最新手順と確認ポイント
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なぜ wsl --install Ubuntu-26.04 では入らないのか

WSL でディストリビューションを入れるときの定番は wsl --install <名前> です。利用できる名前の一覧は wsl --list --online(短縮形 wsl -l -o)で確認できます。ところが、新しい LTS がリリースされた直後は、この一覧に反映されるまでにタイムラグがあります

26.04 もこのパターンです。2026年4月にリリース済みであっても、6月時点では Store 経由の標準イメージとしては配信されておらず、wsl -l -oUbuntu-26.04 は並びません。試しに wsl --install Ubuntu-26.04 と打っても、対象が見つからずインストールは始まりません。

これは不具合ではなく、WSL 向けイメージの公開チャネルが「Store 標準」と「ダウンロード配布」の2系統に分かれているためです。最新 LTS よりも新しい(あるいは出たばかりの)ビルドは、まず releases.ubuntu.com / cdimage.ubuntu.com 側に置かれ、手動ダウンロード+手動インストールが前提になります。標準一覧に載るのは、その後のタイミングです。

WSLg・systemd を使うなら WSL2 が前提

本記事の手順はすべて WSL2 を前提にしています。WSL1 では systemd が動かず、26.04 が標準で前提にしているサービス管理の体験が得られません。wsl --set-default-version 2 で既定を WSL2 にしておくと、以降のインストールが素直です。

事前準備:WSL 本体を最新にする

26.04 を .wsl 形式で入れる手順では、wsl --install--from-file オプションを使います。これは比較的新しく追加されたオプションなので、まず WSL 本体が新しいことを確認します。PowerShell(管理者)で次を実行します。

wsl --version
wsl --update
wsl --version で WSL のバージョン情報が出ること、wsl --update で最新へ更新できることを確認してください。ここで「--update が無効なコマンドだ」と言われるような古い環境では、Microsoft Store 版の WSL に更新するのが先決です。

WSL がそもそも入っていない PC なら、まず wsl --install を一度実行して WSL2 の土台(仮想マシンプラットフォーム+カーネル)を用意しておきます。このとき --no-distribution を付けると、ディストリビューションを入れずに WSL 基盤だけを準備できます。

wsl --install --no-distribution

確認しておきたい3点

  • WSL2 が既定かwsl --status で「既定のバージョン: 2」になっているか。なっていなければ wsl --set-default-version 2
  • 空きディスク容量:26.04 本体+更新分で、最低でも数 GB は確保しておく。アプリを入れるなら10GB以上を見ておくと安心です。
  • Windows の更新:仮想マシンプラットフォーム機能が有効である必要があるため、Windows 本体の更新が止まっていないかも確認しておきます。

Ubuntu 26.04 LTSをWSL2に導入する|wsl --install --from-fileの最新手順と確認ポイント - 解説1

本筋:.wsl 形式イメージを --from-file で導入する

ここからが本題です。Ubuntu 26.04 LTS の WSL 用イメージは、ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl というファイル名で配布されています。拡張子 .wsl は、中身としては tar ベースのルートファイルシステムに WSL 用のメタ情報を組み合わせた、新しい配布形式です。

1. イメージを取得する

26.04(Resolute)のリリース用ページから ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl をダウンロードします。配布元は以下です。

ダウンロードしたファイルは、わかりやすい場所(例:C:\wsl\ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl)に置いておきます。日本語やスペースを含まないパスにしておくと、後のコマンドで余計なつまずきがありません。

2. wsl --install --from-file で読み込む

PowerShell で、ダウンロードした .wsl ファイルを指定して読み込みます。

wsl --install --from-file C:\wsl\ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl
ファイルをエクスプローラーでダブルクリックして導入する経路も用意されていますが、サーバー管理者であればコマンドで明示的に入れる方が、後から手順を再現・自動化しやすいはずです。

3. ユーザー初期設定

導入が完了すると、初回起動時に Linux 側のユーザー名とパスワードを設定する画面になります。ここで作るのは Linux 用のアカウントで、Windows のアカウントとは別物です。現場の癖でつい同じにしたくなりますが、用途が違うので分けて考えてください。

古い環境での代替:wsl --import

--from-file が使えないほど WSL が古い、あるいは社内ポリシーで WSL 本体を更新できない場合は、従来からある wsl --import でも 26.04 を取り込めます。.wsl は実体として tar 形式のルートファイルシステムなので、これを取り込み先と一緒に指定します。

wsl --import Ubuntu-26.04 C:\wsl\ubuntu2604 C:\wsl\ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl --version 2
--import 経由で入れた場合は既定ユーザーが root になりやすいので、/etc/wsl.conf で既定ユーザーを設定する一手間が要ります。可能なら --from-file 経由の方が後処理は少なく済みます。

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導入直後に必ず確認する5項目

入っただけで満足せず、本当に 26.04 が、WSL2 として、まともに動いているかを確認します。Linux 側のターミナルで次を順に実行します。

1. バージョンが 26.04 か

cat /etc/os-release
出力の PRETTY_NAMEUbuntu 26.04 LTS になっていれば成功です。VERSION_CODENAME=resolute も併せて確認できます。古いイメージを誤って入れていると、ここで 24.04 などが返ってきます。

2. WSL2 として登録されているか

PowerShell 側に戻り、次を実行します。

wsl -l -v
導入したディストリビューションの VERSION 列が 2 になっていることを確認します。ここが 1 になっていると WSL1 で動いており、systemd 周りが期待どおりに動きません。その場合は wsl --set-version <名前> 2 で変換します。

3. Python のバージョン

python3 --version
26.04 では Python 3.14 系が標準で入っています。スクリプトやツールの互換性を事前に確認しておきたい場面で、まずここを押さえます。3系の中でもマイナーが上がると挙動が変わるライブラリがあるため、本番に寄せて使うなら早めの把握が効きます。

4. systemd が有効か

systemctl is-system-running
running(または degraded)が返れば systemd が動いています。systemctl: command not found や、PID 1 が systemd でない旨のエラーが出る場合は、/etc/wsl.conf に以下を書いて wsl --shutdown 後に入り直します。

[boot]
systemd=true
systemd が動いていれば、Apache・Nginx・MySQL などを systemctl で本番サーバーと同じ感覚で起動・確認できます。WSL2 を「学習用の使い捨て」ではなく「本番に近い検証環境」として使うなら、ここは外せません。

5. 初回アップデート

sudo apt update && sudo apt upgrade -y
配布イメージは作成時点で固定されているため、入れた直後に更新を回しておきます。ここでリポジトリ周りのエラーが出なければ、ネットワークと apt の経路は健全だと判断できます。


Ubuntu 26.04 LTSをWSL2に導入する|wsl --install --from-fileの最新手順と確認ポイント - 解説2

つまずきやすいポイントと対処

--from-file なんてオプションは無い」と言われる

WSL 本体が古い証拠です。wsl --update(必要なら Microsoft Store 版へ移行)で WSL を新しくしてから再実行します。それでも難しい環境では、前述の wsl --import を使ってください。

ダブルクリックで入れたら名前が分かりづらい

.wsl ファイルをダブルクリックで入れると、登録名が想定と違うことがあります。wsl -l -v で実際の登録名を確認し、以降のコマンドではその名前を使います。名前を意識して管理したいなら、最初からコマンド経由で入れるのが確実です。

既存の 24.04 と共存させたい

WSL は複数ディストリビューションを並存できます。24.04 を残したまま 26.04 を別名で入れ、wsl -d <名前> で切り替えて使えます。本番が 24.04 で、26.04 を先行検証したい、という現場の使い方にそのまま乗せられます。両者を cat /etc/os-release で取り違えないよう、プロンプトやホスト名で区別しておくと安全です。

あわせて読みたい(棲み分け)

本記事は「WSL2 上に 26.04 を入れる」一点に絞りました。前後の話題は次の記事に分けてあります。目的に応じて行き来してください。


Ubuntu 26.04 LTSをWSL2に導入する|wsl --install --from-fileの最新手順と確認ポイント - まとめ

まとめ:6月時点の最短ルート

2026年6月時点で、Ubuntu 26.04 LTS を WSL2 に入れる最短ルートはこうです。

  • wsl --version / wsl --update で WSL 本体を最新にする。
  • releases.ubuntu.com の resolute から ubuntu-26.04-wsl-amd64.wsl を取得する。
  • wsl --install --from-file <.wslファイル> で読み込む(古い環境なら wsl --import)。
  • cat /etc/os-releasewsl -l -vsystemctl is-system-running で 26.04/WSL2/systemd を確認する。
標準一覧に載るのを待つ手もありますが、検証や学習を先に進めたいなら、いま .wsl 形式で入れてしまうのが結局いちばん早い、というのが現場感覚です。本番投入の判断は別記事に譲りますが、「触って確かめる」段階は早く済ませておくに越したことはありません。

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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として20年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。


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