第二新卒でインフラエンジニアに転職する|20代前半の未経験戦略

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宮崎智広 この記事の監修:宮崎智広(Linux実務・教育歴20年以上・受講者3,100名超)
リナックスマスター.JPの宮崎智広です。
いつもありがとうございます。

「第二新卒でインフラエンジニアに転職できるのか、正直なところを教えてください」
「20代前半の未経験でも、Linux系の仕事に就けますか?」

メルマガ読者からの相談の中で、ここ1年特に増えているのが20代前半・第二新卒の転職相談です。新卒で入った会社が思っていたのと違って、IT業界へ移ろうとしている。でも「未経験で第二新卒」というダブルの不安を抱えて、なかなか動き出せない。そういった方からの声をよく受け取ります。

結論から言います。第二新卒でインフラエンジニアに転職できます。ただし「できる理由」と「気をつけるポイント」の両方をきちんと理解した上で動かないと、書類選考を突破できずに自信だけ削られて終わる、というケースも実際に見てきました。

この記事では、20年以上Linuxサーバーを運用・教育してきた現役講師の立場から、第二新卒でインフラ転職を狙う際の全体像、市場の見方、応募先の選び方、面接で問われること、実際に動くまでの準備ロードマップまでを整理します。20代前半ならではの強みと、見落としがちな落とし穴も一緒に書きます。

転職全体の戦略をまだ把握していない方は、先にLinux転職の全体像はこちらから戦略の輪郭を確認しておくと、この記事の各論が立体的に理解できます。
第二新卒でインフラエンジニアに転職する|20代前半の未経験戦略
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第二新卒でインフラエンジニアを狙える理由|採用市場のリアル

まず採用市場の現状を整理します。

2026年現在、インフラエンジニアの需要は引き続き高い状態が続いています。クラウドシフト、セキュリティ強化、老朽化したオンプレミス環境の刷新。これらの案件が重なり、インフラを担える人材の絶対数が足りていない状況です。

その中で第二新卒枠がどう扱われているか、というと、「人柄とポテンシャルで採る」という採用方針の会社がインフラ系でも一定数あります。特に運用監視からキャリアをスタートするポジション、社内SE補佐のポジション、中小SIerの若手ポジションでは、第二新卒・未経験OKと書かれた求人が定期的に出ています。

一方で誤解されがちなのが、「未経験OK=何もしなくていい」ではない、という点です。私が現場の採用担当者と話す範囲では、インフラ系の第二新卒採用で合否を分けているのは次の3点です。

前職の早期離職理由が「逃げ」に見えないか
Linuxの基本コマンドに最低限触れているか(触れた経験を話せるか)
3年以上腰を据えて続けられそうな人物かどうか

「なんとなくIT系がよさそう」ではなく、「インフラを選んだ理由」を自分の言葉で語れるかどうか。これが最初の関門です。

20代前半の第二新卒が持つ3つの強み

年代が20代前半・第二新卒である、ということは採用市場では実はかなり有利に働きます。理由を3つ整理します。

強み1:ポテンシャル採用枠が最大限に開いている

インフラエンジニアの採用において、20代前半は「3年かけて育てる前提」で評価される最後のゾーンです。研修制度のあるSIer、運用監視のジュニア枠、社内インフラのアシスタント、こういったポジションに「第二新卒・未経験可」と書かれているのは、会社側が将来を見込んで採用しているからです。

30代になると、この枠は一段厳しくなります。40代未経験でLinux転職は可能か?成功者の共通点5つでも書きましたが、年齢が上がるほど「即戦力にならなくていい」という会社は減ります。20代前半のうちはまだ、育てる前提が当たり前に通用します。

強み2:年収ダウン幅が小さく、動きやすい

20代前半の前職年収は、多くの場合270万円~350万円台が中心です。インフラ未経験の入社1年目の年収レンジ(300万円台後半~420万円)と、ほぼ重なるか、むしろ上がるケースもあります。

生活コストがまだ低く、家族を抱えているケースも少ないため、多少の年収変動があっても動きやすい時期です。30代・40代の転職相談を受けると、「年収が下がると住宅ローンへの影響が…」という話が出ることがほとんどです。この縛りが20代前半にはまだない。これはかなりの強みです。

強み3:前職のネガティブな理由が薄められる

第二新卒は「なぜ早期離職したのか」を必ず聞かれますが、20代前半の場合は「職場環境とのミスマッチは誰にでも起こる」という採用側の共感が働きやすい。正直に「自分に向いていると思えなかった、IT業界でやり直したい」と話しても、20代前半ならば「前向きに動いている」と受け取られるケースが多い。

これが30代以降になると「なぜ10年以上勤めてから転職するのか」という別の重みが出てきます。20代前半の早期離職は、ある意味で「キャリアのリセット」が最も素直に認められるフェーズです。

採用される第二新卒と落ちる第二新卒の決定的な差

20代前半の第二新卒でインフラ転職を目指す方は多いですが、書類選考や一次面接で止まってしまうケースも同じくらい多い。私が見てきた中で、採用まで至った方と途中で止まった方の差は、ほぼ次の3点に集約されます。

差1:自宅でLinuxを触ったことがあるかどうか

「未経験OK」と書いてある求人でも、「VirtualBoxやAWSの無料枠でLinuxを一度でも動かしたことがある」かどうかは、面接でほぼ確実に見られます。Apacheを立てた、SSHで接続した、パーミッションを変えた。こういった最低限の体験を話せる人と、「とにかく興味があります」だけの人では、書類段階から評価が変わります。

Linux環境の作り方から実際のサーバー構築の流れまで学べる環境を探しているなら、20代Linux転職は売り手市場?未経験が狙うべきポジションも参考になります。20代全体の市場感と準備の具体例を書いています。

差2:前職の退職理由と志望動機がつながっているかどうか

採用担当者が第二新卒の面接で最も見ているのは、退職理由→志望動機の一貫性です。「前の会社が嫌だったから転職する」という構図に見えると、次の会社でも同じことが起きると思われる。「IT・インフラを選んだ積極的な理由」が先にあって、その文脈で前職の早期離職が語られる順番が正しい。

具体的には「サーバーを触る仕事がしたい、だからITに移った、前職では~ということもあって早期転職となった」という語りの順番が、最も好印象を与えます。

差3:資格取得の準備を始めているかどうか

採用まで至った第二新卒の方に共通しているのが、LinuC Level 1やLPIC Level 1の勉強を始めているか、CCNAなどネットワーク系の基礎を並行して触っているケースです。「資格がなければ受けられない」という話ではありません。「学習を始めているという行動事実」が、採用担当者に「本気度」として伝わります。

第二新卒が狙うべきインフラ系ポジションの選び方

インフラエンジニアと一言で言っても、ポジションは幅広い。第二新卒・未経験で入りやすいポジションと、いきなり挑むには厳しいポジションを分けて整理します。

入りやすいポジション(第一選択)

運用監視オペレーター:サーバーの死活監視、アラート対応、ログ確認。未経験可の求人が最も多い。夜勤・シフト有りが多いが、インフラの基礎を覚えるには最適。
社内SEのアシスタント:PCセットアップ、ネットワーク管理の補佐、社内ヘルプデスク。直接的なサーバー構築よりも業務範囲が広め。社内の全体像を把握しやすい。
中小SIerのジュニアポジション:研修制度があれば最初の1~2年でLinuxサーバーの構築・保守を一通り経験できる。給与レンジは低めだが、スキルの伸びが速い。

入るのが難しいポジション(最初から挑まない)

クラウドアーキテクチャ設計:AWSやAzureの設計・費用見積もりまで求められる。未経験第二新卒には早い。
セキュリティエンジニア(SOC/CSIRT):インフラの実務経験がベースになる。最初から狙うポジションではない。

最初の1社で「即戦力になること」を求めるより、「3年でインフラの基礎をひととおり身につけられる環境かどうか」で判断するのが20代前半の正しいポジション選びです。

詳しい失敗しないLinux転職の戦略【完全ガイド】では、職種選びから企業規模の判断基準、エージェントの使い方まで通しで解説しています。ポジション選びで迷っている方は一度確認しておいてください。

応募前に最低限やっておくべき準備|3週間ロードマップ

「今すぐ動きたい」という方のために、応募前の最低限の準備を3週間で整理します。

第1週:Linux環境を手元に作る

Windows PCにVirtualBoxをインストールしてAlmaLinuxかUbuntuを起動する。これだけでOKです。最初の目標は「Linuxが起動した状態でSSH接続できる」こと。

VirtualBoxのインストール→仮想マシン作成→OSインストール→SSH接続、という手順を一度やりきるだけで、面接で「自宅でLinuxを触ったことがあります」と言えるようになります。

第2週:基本コマンドを手で打つ

cd・ls・cp・mv・vi・chmod・chown・ps・grep・tail。この10コマンドを「見ながら打つ」ではなく「説明しながら打てる」レベルにしておく。面接でホワイトボードに書いて説明する場面を想定して練習します。

Apacheをインストールして簡単なHTMLファイルを表示させる、というところまでできると理想的です。これで「Webサーバーの仕組みを手元で確認した経験」として面接で話せます。

第3週:退職理由・志望動機・自己PRの言語化

「なぜインフラエンジニアを選んだのか」「前職を辞めた理由」「3年後にどうなっていたいか」を声に出して言えるようにする。鏡の前で話すか、録音して聞いてみるか、とにかく「話す練習」をしてから応募してください。

志望動機は「ITに興味がある」では通らない。「サーバーが止まらない仕組みを作る仕事をしたい」「企業のインフラを支えるポジションに長く携わりたい」という、具体的なイメージが伝わる言葉に変換します。

第二新卒インフラ転職でよくある質問

資格なしでも応募できますか?

応募はできます。ただし、LinuC Level 1(旧LPIC)かネットワーク系の基礎資格(ITパスポートや基本情報)を勉強中であることを面接で伝えると、採用側の印象が大きく変わります。「資格取得済み」が必須ではなく「学習中」という行動事実が重要です。第二新卒枠では、すでに持っているスキルより「これから伸びる意志があるかどうか」の方が評価されます。

文系出身・非IT専攻でも問題ないですか?

問題ありません。私のセミナーでも、文系出身でインフラエンジニアとして活躍している受講生は一定数います。理系・文系より大事なのは「手を動かして調べる習慣があるかどうか」です。エラーが出たときにネットで調べて試して、また調べる。このサイクルを面接で実例として話せれば、専攻は関係なくなります。

第二新卒の転職活動はいつから始めるべきですか?

現職を退職する前から始めることを勧めます。理由は2つあります。1つ目は、退職後に収入がない状態で転職活動をすると、焦って条件の悪い会社に入るリスクが高くなること。2つ目は、在職中に応募することで採用側からの評価が「逃げ転職ではなく前向きな転職」と受け取られやすいことです。特に第二新卒は「離職後の空白期間」を気にする採用担当者が一定数います。動くなら在職中から準備を始めてください。

転職エージェントは使った方がいいですか?

IT・インフラ系に強いエージェントは活用する価値があります。ただし、第二新卒向け総合型エージェント(doda・マイナビ転職など)と、IT特化型エージェント(Geekly・レバテックキャリアなど)は性質が違います。エージェント選びと使い方については、未経験からLinux転職する方法を詳しく解説しているピラー記事を参考にしてください。エージェントの実態と賢い使い方をまとめています。

第二新卒・未経験から始めるLinuxインフラ入門

インフラエンジニアへの転職を考えているなら、まずLinuxの基礎を「自分の手で動かす」ことから始めてください。当サイトでは『Linuxサーバー構築入門マニュアル(図解60P)』を完全無料でプレゼントしています。
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まとめ|20代前半の第二新卒はインフラ転職の絶好タイミング

この記事で伝えたかったことを整理します。

・第二新卒でインフラエンジニアに転職できる。ただし「動く前の準備」が合否を左右する
・20代前半は採用市場でポテンシャル枠が最大限に開いているタイミング
・採用される人と落ちる人の差は「Linuxを手元で触ったことがあるか」「退職理由と志望動機がつながっているか」の2点に集約される
・最初のポジションは「運用監視」「社内SEアシスタント」「中小SIerjunior」から選ぶのが現実的
・応募前の3週間でLinux環境構築+基本コマンド+面接の言語化を終わらせておく

20代前半という年齢は、インフラ転職においては間違いなくアドバンテージです。「未経験だから」「第二新卒だから」と動きをためらうより、「今が一番動きやすいタイミング」という認識で準備を進めてください。


P.S
第二新卒でのインフラ転職は、動くタイミングが早ければ早いほど選択肢が広がります。「とりあえず情報収集」で止まるより、Linux環境を手元に作って手を動かした人が、最終的に内定を取っています。まず1ステップだけ動いてみてください。
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宮崎 智広

この記事を書いた人

宮崎 智広(みやざき ともひろ)

株式会社イーネットマーキュリー代表。現役のLinuxサーバー管理者として20年以上の実務経験を持ち、これまでに累計3,100名以上のエンジニアを指導してきたLinux教育のプロフェッショナル。「現場で本当に使える技術」を体系的に伝えることをモットーに、実践型のLinuxセミナーの開催や無料マニュアルの配布を通じてLinux人材の育成に取り組んでいる。

趣味は、キャンプにカメラ、トラウト釣り。好きな食べ物は、ラーメンにお酒。休肝日が作れない、酒量を減らせないのが悩み。最近、ドラマ「フライトエンジェル」を観て涙腺が崩壊しました。


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